読者の知りたいこと
ベルトカスタムの頂点「モルガンコンチョベルト」。
アメカジ好きの方なら一度は耳にしたり目にしたりしたことがある方も多いのではないでしょうか。
しかし、多くの方がこのベルトの内に秘める文化や思想をご存知ではありません。
本記事では、実際にモルガンコンチョベルトを所有している私が、このアイテムについて徹底解説します。
モルガンコンチョベルトとは
インディアンファッションでは伝統的にコンチョベルトが好まれて着用されてきました。
そのコンチョベルトの中でも最高峰に君臨するのがこの「モルガンコンチョベルト」です。
ここではまず、モルガンコンチョベルトがどういったアイテムなのかを解説していきます。
13個の1$モーガンコンチョを使用
モルガンコンチョベルトに使われるコンチョの数は13個であることが一般的です。
もちろん、ウエストが細い人の場合は13個並ばないことがあるため、あくまで一般的な数量です。
13個である理由は実は明確にはなっていません。
しかし、次の3つが有力な説であるとされています。
独立十三州が由来
13個である理由の1つ目に、独立十三州から来ているという説があります。
1776年のアメリカ独立宣言、その後のアメリカ独立戦争を経て、アメリカ合衆国は独立・建国しました。
この建国時の13州(=独立十三州)が由来になっているという説です。
野牛の助骨が13対だから
13個である理由の2つ目に、野牛の助骨が13対であることから来ているという説があります。
アメリカンバイソンは西部開拓期まで平原インディアン達の生活に深く関わっていました。食肉、皮革、骨をはじめとするそのほとんどを無駄にすることなく生活のために利用してきた彼らにとって、アメリカンバイソンは切っても切れない密接な関係にある動物でした。
そんなアメリカンバイソンも野牛の一種。野牛の助骨が13対であったことから、モルガンコンチョの数も13個になったという説です。
ヒストリーを感じる興味深いお話ですね。
13という数字は白人文化で忌み数だから
13個である理由の3つ目に、西洋文化において最も忌避される数字が「13」であることから来ている説があります。
最も有名なのものは、聖書においてイエス・キリストを裏切った弟子であるユダが、最後の晩餐で13番目の席についていたことに由来しています。
それ以外にも、北欧神話において12人の神が祝宴を催していた時に、招かれざる13人目の客として乱入したのがロキ。そして彼の性格のせいでラグナロク(終末の日)を迎えた、というところにも「13」が出てきますね。
「西洋文化への対抗思想としてあえて「13」を身につける」という説もあながち間違いではないかもしれません。
基本1921年だが、カウントアップも存在する
モルガンコンチョベルトでは基本的に、最も生産量の1921年製造のコインを使用します。
これは、コンチョメーカーが1921年のものしか作っていないことが一般的だからです。
しかし、中にはカウントアップと呼ばれる、1年ずつ製造年を変えて13年分のコインを使うカスタムも存在します。
モルガンコンチョ13個を集めただけでもお見事ですが、カウントアップはさらにその上を行くこだわりを感じます。
極厚のベルトをベースに使用
モルガンコンチョは27gの重量があります。これを13個並べるわけですからベースとなるベルトには相当のタフさが求められます。
重たいコンチョを付けていてもダレないように、ギャリソンベルトなどの極厚ベルトを使うことが一般的です。
僕がベースに選んだのがFUNNYの「1-1/2″ Harness」です。38mm=1.5インチの幅を持つ1枚革のハーネスベルトです。
極厚の牛原皮をフルベジタブルタンニン鞣しで堅牢に仕上げています。オイルを含んだサドルレザーなので、厚くても馴染みやすいところもポイントです。
そして驚くのが10年保証の商品であること。この約束を可能にする圧倒的な耐久性を持つ逸品です。
他にもFUNNYでベースとして推奨しているのが「1-3/4″ Garrison」です。44mm=1.75インチの幅を持つ1枚革のギャリソンベルトです。革はハーネスベルトと全く同じです。幅広のベルトを作りたいという方はこっちですね。
ベルト幅は38mm以上にすべし
モルガンコンチョはアール込みで直径37mmもありますので、ベルト幅は38mm(1.5インチ)が下限になります。これより細いとコンチョがベルトからはみ出してしまいますね。
後述もしますができればベルトバックルも豪華にカスタムしたいですね。そうなるとベルト幅は、より多くのバックルに合わせることのできる38mmがベストです。
このことから、モルガンコンチョベルトを作るほとんどの人がこの38mm幅を選択しています。
既製品だと先述した38mmのハーネスベルトがおすすめですが、FUNNYではベルト幅を自由自在にオーダーすることができるので、お持ちのバックルにぴったりの幅でベルトを作成いただけます。
バックルもシルバー925製が好まれる
モルガンコンチョという豪華なカスタムをするなら、それに合わせてバックルもシルバー925でいきたいですね。
僕が使用しているのはFUNNYの925手彫りライン「D.E.OSCAR」のスクエアバックル。エングレーブされたシルバー925がモルガンコンチョベルトの迫力にマッチします。
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もう1つが「Silver King(シルバーキング)」のモルガンダラーバックル。
モルガンコインが埋め込まれたバックルは、同じくモルガンコンチョを使ったベルトに相性抜群。
ただでさえハイエンドなモルガンコンチョベルトのさらに上を行く究極のカスタムです。
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モルガンコンチョベルトを作れるブランド3選
コンチョの取り扱いがあるインディアンブランドだと作ってくれます。
FUNNYやゴローズが特に有名ですね。あとレザーブランドではビーズ屋公ちゃんでも作成しています。
基本はどこのブランドでもカスタムオーダーとなります。既製品として売っているわけではないので、購入する際はパーツ選びや納期などを考慮することになります。
僕のベルトを作ってくださったのはタイトルにもある通りFUNNYです。
元々僕がモルガンコンチョベルトを知ったきっかけとなったブランドですね。ずっと作りたいと憧れていたので、長年の夢が叶いました。
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モルガンコンチョの高騰で価格は20万円超えに
モルガンコンチョは10年以上前から高騰を続けています。
FUNNYの1921年製造の1$モーガンコンチョの価格を見てみても、約10年前は12,800円(税込)、一時的にレートが下がって9,800円(税込)ほどになった時期もありますが、現在は18,700円(税込)にまで値上がりしています。
理由として、古銭であるがゆえに玉数に限りがあることや、地金の高騰を受けコインが値上がりしていることなどがあげられます。
現行相場で価格シミュレーションをしてみると以下のようになります。
ベルト代:11,000円
カスタム代:不明 ※私は常連なこともあり特別にかかりませんでした。
合計:254,100円(税込)
高いですね...。
これにカスタム代やバックル代も合わせると30万円は超しそうです。
それでもモルガンコンチョベルトを作りたい。
そんな方に私が提案するのは、メルカリなどのフリマサイトで使用済みコンチョをコツコツ集めること。
新品を買うと18,700円しますが、フリマサイトでは5,000〜7,000程度で売られています。人気のためすぐに売り切れるので注意が必要ですが、安く出品されているものをコツコツ集めるのが得策と言えます。15万円くらい安く作れます(笑)
モルガンコンチョベルトのコーデ例
クセの強い超個性派アイテムですが、アメカジ系統のコーデにはよく合います。
ここではバイカー系とウエスタン系を紹介します。
バイカー系コーデ
ライダースジャケット×デニム×エンジニアブーツという、定番のバイカーコーデに合わせてみました。
バイカー系コーデは1つ1つのアイテムがゴツいため、同じくゴツい印象のモルガンコンチョベルトもすんなりマッチします。
全体的な素材感がレザー、メタル(シルバー925、ライダースやブーツの金具など)、デニムの3種類に収まっているので、コーデの主役級アイテムが多くてもちゃんと調和が取れています。
ウエスタン系コーデ
アメカジ系統の1つ、ウエスタン系コーデです。
JINYAのテーラードジャケットとショートウエスタンブーツがウエスタンアイテムになります。トップスとブーツをベージュのパイソン柄で統一しています。
パイソン柄をメインにするために他はシンプルな黒無地にします。
トップスとブーツの中間地点にモルガンコンチョベルトを持ってくることで、全体の上中下の地点にバランスよくインパクトを持ってこられます。
もちろんパイソンレザーのベルトでも良いですが、モルガンコンチョベルトもアリですね。
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まとめ
本記事をまとめます。
コンチョの数が13個であるのには、インディアン文化に深く根ざした理由があった。
モルガンコンチョベルトは、デザイン性のみならず、インディアン文化をも内包したアイテムであることがお分かりになったと思います。
ベルトは1年を通して身につけるアイテムなので、最高峰の1品を持っておきたいですよね。
ぜひ、モルガンコンチョベルトでご自身のアメカジファッションをアップグレードしてみてください。