読者の知りたいこと
レザーのビジネスバッグを持ちたいと考える男性は多いかと思います。
そのほとんどが牛革製で、カラーはブラック、ダークブラン、ブラウン、キャメルなどです。
そんな中でも私は、ニシキヘビの革「パイソンレザー」の愛好家です。
もちろん私が普段から使っているビジネスバッグ、スーツケースにもパイソンレザーが使われています。
そんなマニアな私が、ビジネスで使えるパイソンレザーバッグを3つ紹介します。
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パイソンレザーの徹底解説!蛇革の種類、艶とマット、腹割と背割、めくれ、経年変化、手入れ、風水など
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パイソンレザーのバッグをビジネスで使うことのメリット&デメリット
パイソンレザーのバッグをビジネスシーンで使うことには、メリットもあればデメリットもあります。
ここではそれぞれ3つあげて解説をします。
メリット①:高級感が訴求できる
パイソンレザーは革なので、合皮、ナイロンといった素材とは違い、天然素材ならではの高級感があります。
パイソンレザーはエキゾチックレザーの中でもオーストリッチ、エレファント、スティングレイと並ぶ高級皮革として知られています。爬虫類革としてはクロコダイルに次ぐ価格帯です。
ラグジュアリーブランドの商品にも多く採用されていること、金運が上がるというイメージ、これらからもパイソンレザー=リッチというイメージを持つ方が多いです。
人前に出るときには足元を見られぬように、程よく値がする物を身に着けるべき。という考え方がありますが、どちらかといえば価格よりも高級感やブランドバリューの話です。
高級感を訴求できるアイテムを身に着けることはビジネスにおいてはプラスの効果を生み出します。
メリット②:個性的で人と被らない
革は伝統的にビジネスシーンで使われてきた素材です。
革と言えばそのほとんどが牛革を指します。次いで羊革、鹿革などが一般的によく見られます。
そこでであえて蛇革を選択することで、個性的な印象になります。
ビジネスで蛇革を使うこと自体があまり浸透していないため、使う物が人と被りたくないという人にもおすすめです。
メリット③:プライベートと兼用できる
パイソンレザーはカジュアルな雰囲気も併せ持っています。
ビジネスシーンだけでなく、カジュアルシーンにもよく馴染みます。
アイテムを仕事とプライベートで兼用したい方にもおすすめです。
デメリット①:使えるシーンをやや選ぶ
パイソンレザーはラグジュアリーな雰囲気、ややカジュアルな雰囲気、そして物によってはワイルドな雰囲気を持つため、シーンによっては適切でない場合もあります。
また、職場や業種によっては華美な服装がNGとされることもあります。
加えて、蛇革を含むエキゾチックレザーは葬儀の場では着用を控えることがマナーです。
詳しくは「【注意】葬儀で蛇革は避けるのがマナー。理由を解説」をご覧ください。
このように、常にTPOを満たすアイテムにはなり得ないことをご理解ください。
私が普段からパイソンレザーのバッグを仕事で使えている理由として、「個人事業主だから」という事情もあるのです。
デメリット②:価格が高い
先述したように、パイソンレザーは数ある皮革の中でも高級皮革の部類です。
また、皮革市場全体で値上げ動向が見られ、この流れは今後も続くと考えられています。
詳しくは下の記事をご覧ください。
当ブログ「パイソンレザーの近年の値上げ動向」
レザークラフトフェニックス スタッフブログ「2022年版:革の値上がりはなぜ起きるのか?その対処についての話」
いざ買おうとしても価格で躊躇してしまうかもしれません。
デメリット③:水に弱いため通勤中の雨に注意が必要
パイソンレザーを使うにあたり、普段から雨などで濡れることに気を付けなければなりません。
水に弱く、シミが跡になりやすいため、濡れた際はすぐに乾いた布で水分をふき取ってください。
通勤中突然雨が降るようなこともあるでしょう。
十分に注意をしてお使いください。
ビジネスで使えるパイソンレザーバッグを3つ紹介!【すべて1点もの】
ここでは紹介しているものはすべて私物です。
実際にビジネスシーンで使用していますので、参考になるかと思います。
また、メーカーや製作ストーリーなども併せて解説していきます。
【シノダかばん製】3WAYパイソン×牛革ビジネスバッグ
私がメインで使っている通勤用バッグです。
これは1点もので、大阪の老舗かばんメーカー (株)シノダの現社長が、社長に就任する以前に、第30回大阪かばん技術コンクールで大阪府知事賞を受賞した作品です。
(株)シノダは1970年創業の老舗鞄メーカーです。
材料の仕入れから製品の仕上げまでを自社で一貫して行っています。
「どんな難しいオーダーも断らない」という信念の下、他社が断るような難しいオーダーにも取り組んできた実績があり、「シノダに行けばなんとかしてくれる」と言われるほどに業界内外から信頼されています。
大阪かばん協会の有志5社が発足させた地域ブランド「OSAKA KABAN」の重鎮としても位置付けられています。
このバッグは長年にわたり(株)シノダとセブンマルイ質店(大阪の老舗質店)を行き来する形で保管されていた物で、2023年になって偶然私の目に留まり、私という初めてオーナーが見つかったという経緯を持ちます。
私が購入した時点で未使用展示品であり、保管による傷、汚れもほとんど見られないという抜群のコンディションで出会ったアイテムです。
私自身が初めてのオーナーであるということに加え、上記の興味深い歴史を持つ特別なアイテムですので、これから共に歴史を刻むのが楽しみな一品です。
内側素材:豚革
寸法:横幅45cm×高さ30cm×奥行15cm
重量:約2.7kg
仕様:3WAY(ハンドバッグ、ショルダーバッグ、バックパック)
外ポケット:ファスナー4
内ポケット:スナップ開閉オープン1、ファスナー1
製造国:日本
通勤用として使っていて便利に感じるのが、大容量であることとバックパックになることです。
一方でかばん自体が重いことが欠点です。
厚い革を使用しているため重くなっています。しかしこれは丈夫さや高級感の裏返しなので、大目に見ています。
パイソンレザーは背割・マット仕上げ・ベージュです。
写真でも分かる通り後述する2つと比べて黄色味が強いカラーが特徴です。
ブラックの牛革にベージュのパイソンの組み合わせが良く合います。
ファスナー持ち手や差込バックル収納など、至る所にパイソンレザーが使われており、随所にまで抜かりのないこだわりを感じます。
【ANIMAL HUNTING】2WAYパイソン×カウレザービジネスバッグ
次はANIMAL HUNTINGのパイソンレザービジネスバッグです。
先程の(株)シノダの作品と異なり、前面・後面部分がすべてパイソンになっています。また、バックパックにはなりません。
本体と同素材のパスケースが付属しています。
内側素材:ベロア生地
寸法:横幅40cm×高さ29cm×奥行10cm
重量:約0.7kg
仕様:2WAY(ハンドバッグ、ショルダーバッグ)
外ポケット:なし
内ポケット:ファスナー付き仕切り1、ポケット2
製造国:不明
先程の(株)シノダ製を大サイズとすれば、こちらは中サイズといったところでしょう。
会食など、持ち歩く荷物が少ないときに活躍してくれるサイズ感です。
とはいえ、メイン収納部分のマチはどちらも10cmと同じなため、PC、ペットボトル、折り畳み傘、財布、手帳などを問題なく収納できます。
バックパックショルダーや外側収納を排したデザインのため、スッキリとしていてプライベートでも使用できる他、軽くて持ち運びが楽といったメリットもあります。
パイソンレザーは背割・マット仕上げ・ホワイトです。
カウレザー(牛革)部分はダークブラウンであり、ダークブラウン×ホワイトのカラーリングです。㈱シノダ製のブラック×ベージュと比べて軽やかな印象を持ちます。
購入先はメルカリで、購入時の状態は新品・未使用品でした。
出品者がエキゾチックレザー専門店の方なのか、パイソン、クロコダイル、オーストリッチ、リザートなどのバッグ、財布が新品でたくさん出品されていました。しかもすべて1点もの。
気になって配送元を見ると私が住んでいるのと同じ福岡県であり、エキゾチックレザーの専門店がある天神エリアで聞いて回りましたが、店舗を見つけることはできませんでした。
ANIMAL HUNTINGというブランド名を調べても目ぼしい情報が得られず、メーカーや販売店に関しては謎のままです。いつか解明したいと思っています。
【ブランド不詳】パイソン×カウレザースーツケース
非常に珍しいパイソンレザーを使ったスーツケースです。
本体と同じカウレザー製のネームタグ、キーカバーが付属しています。
内側素材:ベロア生地
寸法:横幅35cm×高さ40cm×奥行20cm
容量:約26L
重量:約3.2kg
仕様:4輪
開閉部:メイン収納側1(前)、ポケット1(後)
内ポケット:ファスナー2
製造国:不明
荷物を入れたときの重量を10kg以内に抑える必要はありますが、機内持ち込みが可能なサイズです。
4輪式で360°回転するので、機動性に富んでいます。
購入先は質のタケイ(福井県)。間違いなく1点ものです。
ブランド名は不詳ですが、気になる点があります。それはANIMAL HUNTINGのパイソンビジネスバッグと素材が同一であること。
パイソンレザー(背割・マット仕上げ・ホワイト)×カウレザー(ダークブラウン)のコンビネーションであり、カウレザーの素材タグも同一です。
ANIMAL HUNTINGとは販売店こそ違えど、同じ製造工場なのかもしれません。「兄弟かばん」とでも言うのでしょうか。
「長い時を超えて私の元で偶然にも再会した」というストーリーは面白い妄想だと思いませんか?もしかすると妄想ではないのかもしれません。
また、別商品ではありますが、下記もパイソンレザー(モラレスパイソン)のスーツケースです。
非常に珍しい商品で、なかなか市場に出回らないので、気になる方はぜひ購入を検討してみてください。
こんなものもあります。
スーツケースブランドの雄「サムソナイト」から発売された商品です。
「Samsonite BLACK LABEL パイソン スピナー76」という商品名で、かつて限定で発売されたていたものです。
レザーではありませんが、軽量で丈夫なポリカーボネイト製のボディを採用し、パイソンプリントでラバーコーティングされており、機能性とデザイン性を両立しています。
当時の定価は¥89,640(税込)。
他ブランドのパイソンレザービジネスバッグを紹介
紹介した以外にも少なからずパイソンレザーのビジネス向けバッグは存在します。
三京商会はエキゾチックレザーのかばん類を多く扱っていることで有名です。
また、オーダーにはなりますが大阪のウエスタンブランドFUNNYでも作ることが可能です。
三京商会
三京商会は1970年創業の老舗問屋です。大阪には実店舗も構えています。
HALEINE(アレンヌ)をはじめ複数のブランドを持っており、メンズ、レディース、ユニセックスの幅広い商品展開が魅力です。
エキゾチックレザーのかばん類を多く扱っていることでも有名です。
最もおすすめなのは、HALEINEのパイソントートバッグです。
持ち手やライナーに牛革を使い、丈夫で高級感のある仕上がりながら、63,800円(税込)は破格です。
通常なら15万円してもおかしくないクオリティです。
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FUNNY
FUNNYは大阪のウエスタンブランドです。1969年創業。
アメリカのカウボーイ&インディアン文化を中心とした商品展開が魅力で、根強い人気があります。
近年はビジネスバッグやシステム手帳など、現代の生活スタイルにマッチする商品も展開しています。
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FUNNYは大阪の自社工場で製造を行っており、顧客のカスタムオーダーにも応えてくれます(ただし仕様や価格は要相談)。
もちろんビジネスバッグもカスタムオーダーでパイソンレザー仕様にすることが可能です。
パイソンレザーの幅はビジネスバッグの横幅よりも小さいため、面部分は3枚の革を継ぎ合わせることになります。
コーナー部分にインレイでパイソンレザーを部分使いする方法もあります。
いずれにせよ、購入の際は大阪の店舗にてご相談ください。
まとめ
本記事をまとめます。
- パイソンのバッグをビジネスに使うメリットは、高級感があること、個性的であること、プライベートとの兼用があげられる。
- パイソンのバッグをビジネスに使うデメリットは、使用シーンを選ぶこと、価格が高いこと、雨に注意しなければならないことがあげられる。
- スケオが所有するパイソンレザーのビジネスバッグ2種、スーツケースは1種はいずれも1点もので、非常に珍しいアイテムと言える。
- 他ブランドとして、三京商会やFUNNYもパイソンレザーのバッグを取り扱っている(もしくは販売が可能である)。
この記事がパイソンレザー好きの方にとって、面白いものになったのであれば幸いです。
皆さんもビジネスシーンのアクセントとして、パイソンレザーをぜひ取り入れてみてください。