読者の悩み・知りたいこと
ライダースジャケット愛好家の皆さん!!
秋冬はライダースジャケットを着られるので楽しい季節ですね!
しかし12月にもなると、さすがにライダースだけでは寒いです…。
インナーを着込むのにも限界があるし…。
そんなときはライダースジャケットをインナー使いして、上から重ね着しちゃいましょう!
イギリスヴィンテージを踏襲したブランドであるアディクトクローズから、ライダースジャケット専用のアウターが発売されています。
本記事ではアイテムの紹介と、私が実際に使用した感想をお伝えします。
真冬にライダースジャケットを着ると寒い3つの理由
ライダースジャケットが好きな人なら必ず課題にあがる「真冬に着ると寒い問題」。
ライダースジャケットを真冬に着づらい理由を考えると、おのずと解決策が見えてきます。
理由は次の3つです。
- レザーには防風性はあるが防寒性は乏しい。
- ライダースはタイト目に着るものなので、中に着込めない。
- ライダースはアクティブな身体の動きが不得意なので、なんでもかんでも上から羽織るわけにはいかない。
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レザーには防風性はあるが防寒性は乏しい
ライダースジャケットはバイクに乗るライダー向けのジャケットです。
レザーは風を通さないため、風を受けやすいバイクシーンにおいて、風から身を守るのにはもってこいです。
しかし、防寒性が高いわけではありません。
ここはよく混同して解説されますが、防寒性という観点では、ウールコートやダウンジャケットの方が暖かいです。
こういった素材は繊維内に空気を含むことで断熱できるので、暖かさを発揮できます。
しかしレザーは繊維内に空気を含むことが難しいため(不可能ではないが)、真冬に着ると寒いのです。
ライダースコーデはタイト目が定石なので、中に着込まない方が良い
ライダースコーデの定石は「タイト」です。
伝統的にライダースジャケットは身体に合ったサイズ感で着ることが一般的です。
ライダースジャケットをタイトに着ることで、バイク搭乗中の風によるバタツキを防ぐことができます。
また、経年変化(エイジング)という観点においても、タイト目に着た方がしわがダイレクトに出やすいです。
こういったことから、ライダースジャケットの中に厚手のものを着込むことは推奨しません。
下にたくさん着込むことを前提にサイズを選んでしまうと、春秋にTシャツの上から1枚で着たときに、ぶかぶかで野暮ったい印象になってしまいます。
当然、すべてのレザージャケットをタイトに着た方が良いわけではありません。
2021年頃からのトレンドで、ライダースジャケットをオーバーサイズで着るコーデが流行しました。
また、元々大き目に着た方がカッコイイタイプのレザージャケットも存在します。
そういった着方があるのも事実です。
オーバーサイズコーデではレザーのドレープ感を楽しむことが醍醐味なので、中にガッツリ着込むのが良いかどうかはまた別問題です。
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ライダースはアクティブな身体の動きに不向きなので、上に羽織るアウターが限定される
そろそろ本題に近づいてきました。
という議論になります。
これは半分正解ですが、半分不正解です。
なぜなら、ライダースジャケットはアクティブな身体の動きが不得意なので、上から分厚いコートを羽織ると、腕が上がらないなどの、着づらさが出てしまいます。
元々ライダースジャケットはバイクシーンで着る服です。バイクに乗っているときは身体を大きく動かすようなことはしません。そもそも動きやすい服という観点で作られていないのです。
したがって上からアウターを羽織る際にも、アウターの選定が重要になります。
本記事の本題は、このアウター選びです。
できればライダース専用のアウターを選ぶと良いでしょう。
アディクトクローズにはライダースジャケット専用の重ね着アウターが存在する!【着用画像あり】
アディクトクローズから、ライダースジャケット専用の重ね着アウターが度々発売されます。
本記事で紹介するアウターには、定番商品としてラインナップされているものから、既に廃盤になったものまであります。
SINGLE DISPATCH COAT(シングルディスパッチコート)
ディスパッチライダー(バイクの伝令兵)用のコートがデザインソースです。
本来ダブル襟のコートですが、あわせをシングルにしてディテールを簡略化。
よりタウンユース向きに、シンプルに仕上げています。
ライダースと同じくバイクシーンで使われるアウターです。デザインのシンプルさもあってコーデの相性はバッチリです。
モーターサイクルコートのディテールをこの商品にも残しています。
バイク搭乗中には裾内側のストラップを太腿に固定し、走行中のバタつきを防ぎます。
当時のミリタリーシーンで使われた実用性なディテールが現代にも活きています。
アディクトクローズでは定番のアウターで、毎年生地やカラーを一新して発売されています。
素材はジャングルクロス、ワックスコットン、起毛フランネルなど。
カラーはブラック、ネイビーといったダークカラーの他、カーキやベージュといったアースカラーもあります。
カラーはその年によって一新されるため、固定ではありません。
このシングルディスパッチコートの面白いところは、ライダースジャケットの上から着ることもできることです。
Lightning(およびWEBメディアDig-it)でも、ライダースジャケットの上から着られることを言及しています。
軽めの素材で重苦しい印象を与えず、ライニングにウール90%、ナイロン10%を使うことで、防寒性をバッチリ確保している点がライダースに適している理由です。
革ジャンの上に羽織るためにアディクトクローズのコートを買った。ワックスコットンで風を通さず、裏地はウールで暖かい。このコートが10万円。でもこいつがあれば、冬時期に毎日革ジャンを着ることが出来る。
引用:Dig-itおよびLightning 2021年3月号:「コートから始まる真冬の革ジャン経済学。|アディクトクローズのWAXED COTTON SINGLE DISPATCH COAT」
サイズはやや大きめであり、ライダースジャケットと同サイズを選べば問題なく着られます。
サイズ | 身幅 | 袖丈 | 着丈 |
36(S) | 57cm | 73cm | 103cm |
38(M) | 59cm | 75cm | 104cm |
40(L) | 62cm | 77cm | 105cm |
僕が所有しているのは2020AWのワックスコットンをマテリアルに採用したものです。
一見バブアー風ですが、アディクトクローズが独自開発したワックスコットンを採用しています。
オイルドコットン特有の匂いやベタつきを抑え、ヴィンテージに見られるレザーのようなツヤ感(オイルの塗り重ねやすれによって生まれる)を表現しています。
実際にヴィンテージのバブアーと比較した写真です。
すれによるツヤ感を上手く表現しています。
アタリの出方も近いものがあり、経年変化(エイジング)が楽しみです。
匂いとベタつきもほとんどありません。雨で濡れると少しワックスの粘り気を感しる程度です。
それでは実際にライダースジャケットの上から着用した写真をお見せします。
僕は2020AWのワックスコットン素材のものをブラックとカーキの2色、同サイズで所有しています。
両方着比べているので、色味の違いによるコーデを見てみてください。
schott 513UST ONESTAR TALLの上から羽織りました。
ライダース、シングルディスパッチコートともにサイズ36(S)です。
ライダースジャケットはスナップボタン、スタッズ、バックル等の金具が全てブラックアウトされた1トーンモデル。
シングルディスパッチコートのブラックを着た場合(左)、オールブラックのクールなコーデが楽しめます。
真冬に着るので、このくらい暗めのカラーでも問題ありません。
レザーの上にワックスコットンのコートを羽織るのが重苦しいと思われる方は、右のカーキがおすすめです。
カーキならブラックのライダースとの差異が生み、色味による軽やかさを出すことができます。
カーキはブラックやインディゴ(デニム)との相性もバッチリなので、アメカジコーデ、バイカーコーデにおいて重宝すること間違いなしです。
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次はCHRISTIAN DADA 2015AW PARROT LEATHER JACKETとの重ね着です。
クリスチャンダダらしい個性的なデザインが特徴です。
2015年頃はサンローランなどのハイブランドから、ツートンカラーなどの派手なライダースが発売されていた時期です。
このライダースも例にもれず、トレンドに大きく影響を受けたデザインをしています。
サイズはイタリア表記の46です。
先ほどのschottやアディクトクローズで使われているUSA表記に換算すると38(M)ですが、36(S)寄りのタイトなサイズ感です。
したがって、ここではUSA表記の36(S)として扱います。
このようなモード系のライダースジャケットには、ブラックやネイビーのダークカラーの方が好相性です。
ブラックがモードな雰囲気を邪魔することなく、さらにシックに仕上げています。
カーキはミリタリーを連想させるため、ライダースの持つモードな雰囲気とややミスマッチです。
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このように、お持ちのライダースによってコートの色味も検討すると良いです。
基本的にブラックは何にでも合うので無難です。
モード系のライダースをお持ちでない方はブラックにこだわらなくても良いです。
同コーデをもっと見たいという方のために写真を用意しました。
ぜひ参考にしてみてください。
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OILED MC DOWN VEST(ワックスコットンを採用したダウンベスト)
こちらのモデルは既に廃盤になっています。
「真冬でもライダースジャケットを着られるように」をテーマに開発したダウンベストです。
アナログな素材であるオイルドコットンとレザー。この2つの素材の重ね着がもたらすヴィンテージな雰囲気が楽しめます。
ライダースと同サイズのダウンベストを選べばOKです。
ダウンベストは真冬のライダースコーデに取り入れられるアウターとしてはメジャーな部類に入ります。
ライダースはアクティブな身体の動きが不得意ですが、ダウンベストなら腕が動かしづらいという問題がおきません。
「袖からレザーが見えるのが良い」と言うのがライダース愛好家。
ダウンベストの暖かさも真冬の強い味方です。
このダウンベストはアームホールが通常のダウンベストよりも大き目(広め)に設けられています。
ライダースの厚みにも対応できる大きさです。着脱が楽です。
腕を動かしづらいライダースの上から着ても、日常的な動作を支障なく行えます。
廃盤になってしまい非常に残念です。
アディクトクローズが復刻してくれることを願っています。
それでは実際にライダースジャケットの上から着用した写真をお見せします。
ライダースは先ほど着用したschottとCHRISTIAN DADAです。
ダウンベストのカラーがネイビーで、どちらのライダースともバッチリ合っています。
ワックスコットンの持つ無骨さとヴィンテージ感がライダースと好相性です。
クリスチャンダダのパロットモチーフが、ワックスコットンのヴィンテージ感と合うのは意外です。
こういった意外な組み合わせによって、新たなコーデが思いつくことも重ね着の醍醐味です。
ワックスコットンなので、レザーと一緒に経年変化(エイジング)を楽しむことができるのも魅力です。
他にもコーデ例が見たい方は下のサイトをどうぞ。
廃盤になって久しいため、この商品のページが残っているサイトはとてもレアです。
- LITTLE BASTARD滋賀:「ADDICT CLOTHES NEW VINTAGE アディクトクローズニューヴィンテージ2014AW OILED MC DOWN VEST ダウンベスト」
- Clothing Store KEEL:「商品着用 AD-D-03 OILED MC DOWN VEST (BLACK)」
- ROOSTER:「AD-D-03 OILED MC DOWN VEST -Coordinate-」
- LITTLE BASTARD滋賀:「THE FOOL 2014AW MARINE BORDER KNITTED SHIRTS マリンボーダーシャツ,CASQUETTE キャスケット×RUDE GALLERY BLACK REBEL」
COTTON ULSTER VEST(アルスターベスト)
生地にカツラギコットンを採用しています。
ライダースジャケットの上から羽織るのに最適な寸法に設定。
裏地にはアルパカ混のウールボアを採用し、防寒性抜群です。
襟はスタンドカラーで風の侵入を防ぎます。バイクシーンでも活躍できますね。
ハンドウォーマーにもなる大き目のポケットが、冷えた手を温めてくれます。
こちらのベストもアームホールが通常のベストよりも大き目(広め)に設けられています。
ライダースに特化した仕様ですね。
ライダースと同サイズのアルスターベストを選べばOKです。
ただし着用感としてはダウンベストよりも小さめです。
前を閉めて着ると、アルスターベストのデザインを最大限に活かすことができます。
サイズ表は下の通りです。
サイズ | 身幅 | 着丈(前/後ろ) | 肩幅 |
36(S) | 49cm | 66cm/65cm | 36cm |
38(M) | 52cm | 68cm/67cm | 38cm |
40(L) | 55cm | 69cm/68cm | 40cm |
42(XL) | 57cm | 69cm/68cm | 41cm |
44(XXL) | 59cm | 70cm/69cm | 43cm |
カラーはブラック、ネイビー、カーキの3種類。
こちらもお持ちのライダースジャケットに合わせて選びたいですね。
それでは実際にライダースジャケットの上から着用した写真をお見せします。
ライダースは同じschottとCHRISTIAN DADAです。
イギリスヴィンテージを踏襲したアルスターとアメカジのライダース。
または、ウェスタンヴィンテージを踏襲したパロットレザージャケット。
一見ミスマッチに見える組み合わせですが、難なくマッチしました。
アルスターのシンプルなデザインがどんなスタイルとも馴染んでくれます。
ちなみに、パロットレザージャケットはEAST WEST(イーストウエスト)というブランドが有名です。
世界的に有名なミュージシャンからも愛されていました。
1970年代後半にブランドとしてはなくなりますが、今でも愛好家らによって収集が行われています。
興味のある方はぜひ調べてみてください。
古着屋JAM:「古着屋JAMオススメ◆”レザージャケット” ブランド6選」
同コーデをもっと見たいという方のために写真を用意しました。
ぜひ参考にしてみてください。
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ライダースジャケットの中に着込むことをおすすめしない2つの理由
ここまでのお話しでこんな疑問を持たれた方がいると思います。
僕としては、ライダースジャケットの中に厚手のインナーをたくさん着込むことは推奨しません。
理由は次の2つです。
- ライダースのサイズを上げないといけないから。
- インナーの厚みとレザーのかたさで腕が動かしづらくなるから。
ライダースのサイズを上げると野暮ったくなりがち
先述したように、ライダースコーデの定石は「タイト」です。
真冬に中に着込む前提でサイズを選ぶと、どうしても野暮ったいシルエットになりがちです。
シルエットを考えると、上げることができる限界が1サイズ上でしょう。
また、バイクに乗っているときの風のバタツキを抑えたり、経年変化を楽しんだりするうえでも、できればジャストなサイズを選びたいところです。
インナーの厚みとレザーのかたさで腕が動かしづらい
インナーにあれもこれもと着込みすぎると、身体が動かしづらくなります。
特に動かしづらいのが腕で、着脱にも苦労するレベルです。
僕が実際に中に着込み過ぎたときのエピソードですが、バックパックを背負ったり、下ろしたりする度に腕をつりそうになりました。
日常的な動作に支障をきたすため、おすすめしません。
【結論】中に着られる限界は、厚手ヒートテックとニットorスウェット1枚
ライダースジャケットのインナーは、厚手のヒートテック1枚と、ニットorスウェット1枚が限界です。
ヒートテックは真冬の定番インナーですし、その上にニットorスウェットを1枚着たら、十分な暖かさになります。
これ以上中に着込むとスタイルが崩れるため、ライダースジャケットの上からアウターを羽織る方が良いです。
アディクトクローズからはライダースジャケット専用のインナーニットも発売されています。
興味のある方は併せてご覧ください。
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【まとめ】真冬はライダースの上にコートorベストで対応しよう!
本記事をまとめます。
- ライダースジャケットが真冬に寒い理由は3つある。①防寒性が乏しい、②中に着込めない、③上に羽織るものが限定される
- アディクトクローズにはライダース専用のアウターが出ている。
- ライダースジャケットの中に着込める限界は、厚手ヒートテックとニットorスウェット1枚。
- 【結論】ライダースジャケットを真冬にも着たいときは、アディクトクローズのアウターを上から着ると良い!!
本記事が、ライダースジャケットを真冬に快適に着たい人の参考になったら幸いです。
高価なライダースジャケットを真冬に着られないなんてもったいないです。
ライダースジャケットにレイヤードする専用のアウターを、ぜひ取り入れてみてください!
アディクトクローズからは本記事で紹介したようなライダース専用のアイテムが度々発売されます。
お見逃しのないようにぜひチェックしておいてください!