読者の知りたいこと
かつてレッドウィングで人気を博していたモデル”ベックマン9011”。
”ブラックチェリー・フェザーストーン”という赤黒い艶革と、きれいめかつヴィンテージ感のあるシルエットが特徴で、他ブランドにはない唯一無二の存在感を放っていたモデルです。
本記事ではそんな人気モデルであるベックマン9011について、レッドウィングの大ファンである僕が、実際の写真を使って詳しく解説していきます。
また既に廃盤モデルでもあるため、後続販売されている現行モデルについても紹介をいたします。
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レッドウィング9011はブラックチェリーフェザーストーンのベックマン
この章でレッドウィング9011の特徴をまとめて解説し、”ブラックチェリー・フェザーストーン”のベックマンの魅力に迫ります。
創業者”チャールズ・ベックマン”の名を冠したモデル
1905年にレッドウィング社を創業した”チャールズ・ベックマン”にちなんで名付けられたのが、9011をはじめとした「ベックマンブーツ」です。
同社が創業期である20世紀初頭に制作していたブーツをベースにし、今日の素材とテイストをミックスして現代的に再構築。2006年に誕⽣しました。
レッドウィングの中でも有数の人気モデルであり、元代表の鈴木理也さんは「過去10年で最も売れたモデルの1つである」と、自身が出演した動画の中で語られています。
サイバーテロやパンデミックの影響で生産体制が揺らいだことで、2022年に惜しまれつつも廃盤になりました。
ブラックチェリーフェザーストーンは赤黒く艶のある最高級レザー
9011をはじめとした廃盤前のベックマンに使われていたのは”フェザーストーンレザー”。
原皮の中から5%程度しか採れない、特に滑らかな銀面を持つ箇所を厳選して使用。
元代表の鈴木理也さんは「目が詰まって、きめ細かく、艶感がある」と表現されています。
ベックマンはレッドウィング社の中でも”クラシックドレスライン”に位置しますが、その名に恥じない、美しい輝きを放つ最高級のレザーです。
そんなフェザーストーンレザーにも名前の由来があります。
フェザーストーンとは、ミネソタ州レッドウィング市とその周囲一帯を指す地域名です。
S.B.Foot社(後にレッドウィング社の自社タンナーとなる)が、1872年にこの地域で誕生した当時から、鞣し工場のすぐ隣に地区名「フェザーストーン」を示す道標が立っていました。
レッドウイングの創業者「ベックマン」の名を冠するブーツに最もふさわしいレザーとして、S.B.Foot社の歴史を象徴する「フェザーストーン」と名付けられました。
またもう1つ由来があります。
「羽根(フェザー)のように優雅でしなやかな銀面と、石(ストーン)のように強靭な耐久性を併せ持つ」という、このレザーの特徴を的確に表現する言葉として、「フェザーストーン」と名付けられています。
カラー展開はブラックチェリーフェザーストーン、シガーフェザーストーン、ブラックフェザーストーンの3色。
本記事の主役である9011に使われている”ブラックチェリー・フェザーストーン”は、ラインナップの中でも特に人気が高かったように感じています。
実はこのブラックチェリー・フェザーストーン、製造された年代によって染め方が異なります。
発売当初はただ染めるだけでしたが、色味の個体差が発生しやすくなりました。
これを解決するため、後に作られたものには「最初に薄めに染めて、その上に濃い色の顔料をのせて色を調整する」という染色方法が採用されています。
顔料をのせて仕上げたものは、スレたときに表面にのせた顔料が落ちるため、その箇所の色が薄くなるというエイジング(経年変化)をします。
ブラックチェリーフェザーストーンレザーのエイジング(経年変化)
履きジワによってシボ感が強調され、ワークブーツらしい表情に変化していきます。
本記事で掲載している写真はブラックチェリー・フェザーストーンレザーの中でも後期のもののため、先述した「最初に薄めに染めて、その上に濃い色の顔料をのせて色を調整する」という染色方法が採用されています。
スレた箇所は表面にのせた顔料が落ち、色が薄く変化していますね。
同系色でトーンが変わるため、茶芯のようにくっきりとしたコントラストではありません。
ブラックチェリーフェザーストーンレザーのお手入れ方法
手入れのポイントは、補色するかしないかと、光沢感を出すことの2つです。
補色は任意ですが、元が艶のあるレザーなので、光沢感は必須になります。
補色する場合
補色したい場合のおすすめクリームは「モゥブレィ シュークリームジャー レッドマホガニー」です。
製造年にもよりますが、この色が比較的近いですね。
似た色で補色でき、光沢感を出せるため、ベックマン9011の手入れにはもってこいのクリームと言えるでしょう。
補色しない場合
補色しない場合のおすすめクリームは「レッドウィング純正のブーツクリーム ニュートラル」です。
無色なのでどんな色のレザーにも使うことができ、配合されたワックス成分が光沢感を出してくれます。
経年変化で色落ちしても、同系色でトーンが変わっているため、補色をしなくても目立つことはありません。
”あえて色を戻さない”というのもワークブーツらしくてアリです。
スレた箇所をクリームで寝かせてあげるだけでも若干ですが色が戻りますので、絶対に補色をしないといけないというわけではありません。
ベックマン9011ブラックチェリーフェザーストーンを使ったコーデ
赤系のレザーであるため、合わせるボトムスを選ぶと思われがちですが、実はアメカジの王道ボトムスとの相性は抜群。
本記事では「ブラックチェリー×インディゴ」と「ブラックチェリー×カーキ」の2つの組み合わせを紹介します。
インディゴのデニムパンツに合わせたコーデ
レッドウィング8875をご存知の方なら既にお分かりかもしれませんが、赤系とインディゴの組み合わせはアメカジ界では王道です。
ブラックチェリー・フェザーストーンレザーが赤黒い濃いめのカラーであるため、合わせるデニムも濃いめのカラーのものをチョイスすると良いでしょう。
アイリッシュセッター8875をベックマン9011に変えてあげるだけで、足元がクラシックな印象に変わります。
8875をよく履く人は9011も一緒に持っておくと、簡単にコーデの幅が広がるのでおすすめです。
カーキのカーゴパンツに合わせたコーデ
グリーン系のカラーとも相性が良いですね。
アメカジらしいグランジ感のあるコーデがお好きな方はこっちでしょう。
他にも赤は灰色とも相性が良いことで知られています。
相性の良い組み合わせはたくさんありますので、紹介していないものも含めて、コーデを楽しんでみてほしいですね。
既に廃盤。購入手段と後続モデルについて
ベックマン9011は2022年に廃盤になっています。
現在、直営店や販売代理店では9011を購入することはできませんが、中古ディーラーや中古サイトでは購入することが可能です。
また、現在は後続モデルとしてベックマン9419というモデルが現行品として販売されています。
ただし、9011とは仕様やサイズ感などに異なる点があるため、こちらについても解説をします。
9011を購入できる中古ディーラー・中古サイトのおすすめ3選
中古ディーラー&サイトの中でも9011の出品数が多いものを3つあげます。
- HOPESMORE(ホープスモア)
- メルカリ
- ヤフオク
ホープスモアはアメカジ雑誌のLightningでも度々掲載されているユーズドブーツショップですね。
店舗住所は東京都世田谷区ですが、公式サイト・メルカリShop・ヤフオクもされているので、東京にお住まいの方でなくてもネットで購入ができます。
廃盤モデルのブーツでも取り扱いがありますので、9011を探すならホープスモアは外せません。
また極まれにデッドストックが見つかることもありますので、狙っている方は要チェックですね。
選ぶサイズは実寸通りのジャストサイズで問題ありません。
廃盤前のベックマンは8番ラスト・Dワイズですが、つま先にゆとりがあります。
足幅が広い人でも快適に履くことができます。
レッドウィングのブーツのサイズ選びについては下の記事で解説しています。興味のある方はご覧ください。
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レッドウィングのサイズ選びは実寸を基準に!スニーカーとの比較を徹底解説
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現在はベックマン9419という後続モデルが存在する
現在は後続モデルとしてベックマン9419というモデルが現行品として販売されています。
9011時代のベックマンソールに見られた加水分解の問題を解決していたり、スピードフックで着脱が楽になっていたりするなど、新作ならではの魅力がたくさんあります。
詳しくは下の記事で新旧ベックマンの違いについて解説していますので、9411を気になっているという方は必見です。
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【復活】新作ベックマンはどう変わった?旧作モデルと比較して分かった6つの変更点
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もう1つの注意点として、旧ベックマン(9011)、新ベックマン(9411)、フラットボックス(9060)で、それぞれ着用感が異なります。
試着でサイズ感を確認してから買うことをお忘れなく。
この3モデルのサイズ感の違いも下の記事で見られます。
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レッドウィングのサイズ選びは実寸を基準に!スニーカーとの比較を徹底解説
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まとめ
本記事をまとめます。
本記事がベックマン9011について知りたいという方たちの参考になったのであれば幸いです。
廃盤が惜しいモデルの1つでしたが、市場には十分な玉数があるため、中古品を見つけることは比較的簡単です。
後続モデルも非常に優秀なので、「今からベックマンを履きたい!」という方がこちらもぜひご検討ください。