読者の知りたいこと
こういった疑問に答えます。
ネットでも情報が少ないので書いてみました。
ネットで検索しても8849のレビュー記事は少ないです。発売時期が比較的新しいため、持っている人が少ないのが現状でしょう。
8849の情報を詳しく知りたいという方向けに、実際に約1年半履いた私が徹底解説していきます。
ここで告知をさせてください!!
レッドウィングから純正ジッパーユニット第2弾が販売されました。
8849にぴったりのアイテムです。
記事にまとめていますのでぜひご覧ください。
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レッドウィングのジッパーユニット第2弾を購入!リニューアルポイント5点/再販情報/他社代替品情報
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レッドウィング8849の特徴をまとめてみました
8849とはどんなブーツなのか。その特徴をまとめて解説します。
レッドウィングの定番モデル「アイリッシュセッター6インチモック」
アイリッシュセッター6インチモックとは、レッドウィング社が1954年に発売し、現在まで同社の顔となっているモデルです。レッドウィングといえばこれ!というくらい定番中の定番です。おそらく多くの人が赤茶色のレザーを想像すると思います。その色が猟犬のアイリッシュセッターの毛色に似ていたことから付いた名称です。
白く平らなトラクショントレッド・ソールが使われており、その優れたクッション性と静音性により、当時のアメリカのワーカーや狩猟者から絶大な支持を集めました。
モックトゥと呼ばれる独特なつま先の形状も特徴の1つで、デニム、チノパン、軍パンといったパンツと抜群の相性を誇ります。
ちなみにレッドウィングの靴はグッドイヤーウェルト製法といって、専門店にて靴底の張り替えが可能です。まさに一生物ですよ。
日本での発売初期はASBee限定だった
8849がレッドウィングジャパンの公式サイトにラインナップされる以前にも、8849を日本で買うこと自体は可能でした。
実際に僕は2021年5月30日にASBeeで購入しました。他ではまれにレッドウィングの正規取扱店に置いてあることもありました。
レッドウィング福岡のスタッフさんに聞いたところ、日本に来たファーストロットはASBee限定として置かせてもらい、後にレッドウィングジャパンで公式販売が開始したとのこと。
茶芯レザー「ブラック・プレーリー」を採用
8849は茶芯レザー「ブラック・プレーリー」を採用しています。これが8849最大の魅力です。
ブラック・プレーリーの特徴は次の5つです。
茶芯
茶芯とは
茶色い革の表面を黒く染色した革を「茶芯」と言います。
茶芯はヴィンテージのレザーアイテムによく見られる特徴です。元々茶芯とは生産性の合理化のためになされていたもので、一旦すべての製品の革を茶色で作り、黒い製品を作るときはその上を黒く染色する手法です。
茶芯のレザーは使い込むほどに表面の黒い部分が擦れて地の茶色が浮き出してきます。この黒と茶色のコントラストが美しい経年変化をもたらすのです。
レッドウィングのブラックレザーも1990年代までは茶芯の個体が存在していました。しかし現行のブラックレザーは茶芯仕様ではなく、革の芯まで黒い「芯通し」と呼ばれるものです。
そんな中、茶芯の復活を望む声が多かったこともあり、現在レッドウィングではブラック・クロンダイクとブラック・プレーリーの2種類の茶芯レザーをラインナップしています。
フルグレインレザー
フルグレインレザーとは
体毛の真下の部分を使い、無加工で仕上げた革をフルグレインレザーといいます。
銀面を削らず、元の革の表面に入っている天然のシボを活かすことで、革らしいナチュラルな仕上がりになります。
フルグレインレザーの魅力は、革本来の自然な風合いと経年変化を楽しめることです。
油分が多く、柔らかい
ブラック・プレーリーはオイルを多く含み、柔らかいことが特徴です。
後述しますが柔らかい分傷やしわが入りやすく、経年変化が早いレザーです。
足当たりがソフトなのも好ポイントです。
経年変化が早い
ブラック・プレーリーは革自体が柔らかいことに加え、表面の黒い塗膜が薄く仕上げられています。
茶芯も比較的早く出てきます。
ぶつけやすいかかと部分には、購入して1ヶ月で茶芯が出てきました。
マットな質感
フルグレインレザーのシボ感×薄い塗膜 で革表面がマットな質感に仕上げられています。
僕はこの「革らしい自然な表情」に惹かれて購入しました。
スマートなシルエットのDワイズ
ワイズと呼ばれる靴の横幅がDワイズと細めになっています。
アイリッシュセッター6インチモックの日本向けラインはEワイズにて展開されることが一般的ですが、最初は海外ラインで販売されていた経緯のある8849は海外準拠のDワイズです。
ワイズが細くなると野暮ったさが減り、スマートな印象を受けます。一方で日本人の平均的な足幅には少し窮屈に感じるかもしれません。
8849と9874にはこんな違いが!
サイズは同じUS7(25cm)で比較してみます。
※靴ひもはクロムエクセルレザー(社外品)に替えております。ご興味のある方は下の記事をご覧ください。
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クロムエクセルレザーの靴紐をレッドウィングに合わせてみた/唯一買える販売店と味出しお手入れ方法を教えます!
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本記事で比較しているレッドウィング9874の記事も書いていますので、興味のある方はご覧ください。
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レッドウィング 9874ってどんなブーツ?(茶芯のエイジングが魅力/廃盤の真偽)
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違いその①:同じ茶芯でもレザーが違う!
どちらも茶芯レザーですが、8849にはブラック・プレーリー、9874にはブラック・クロンダイクが使われています。
8849のブラック・プレーリーは先述したようにフルグレインレザー、油分が多い、経年変化が早い、マットな質感という特徴があります。
対して9874のブラック・クロンダイクは表面が均一に整えられたスムースレザー、油分が少なく硬い、経年変化には比較的時間がかかる、ツヤのある仕上がりとなっています。
違いその②:【注意】ワイズ(靴の横幅)が違う!
これは着用感やサイズ選びに影響が出るため、購入を検討されている方は必見です。
8849はDワイズと細めですが、9874はEワイズと広めです。
見た目にも違いが出ますがサイズ感にはご注意ください。
日本人に多いと言われる甲高幅広足にはEワイズが最適です。実際に両方所有している私もDワイズは少し窮屈に感じますね。
ただし革靴は着用を繰り返すことで横に伸びていきます(縦には伸びません)。Dワイズでも長年履くことで十分に足になじみます。
下にレッドウィングのサイズ選びの記事を載せていますので興味のある方はご覧ください。
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レッドウィングのサイズ選びは実寸を基準に!スニーカーとの比較を徹底解説
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違いその③:8849にはヴィンテージディテールが採用されていない。
9874には現行仕様と異なるヴィンテージのディテールが復刻されています。具体的にはレクタングルバータックステッチ、犬タグ、箱のプリントです。
8849にはこれらのディテールは採用されていません。
違いその④:各パーツのカラーが違う!
具体的にはアイレット、履き口のパイピングのカラーが異なります。
8849はそれぞれヴィンテージゴールド、ダークブラウン、9874はそれぞれシルバー、ブラックです。
違いその⑤:見た目の印象
これほどの違いがあるのですから全体的な印象に違いが出るのは当然ですね。
8849はDワイズのスマートさ、マットな質感、ヴィンテージゴールドのアイレットにより、どこか「大人っぽくてスモーキー」な印象を受けます。
少しきれい目なコーデにもなじんでくれます。
約1年半の経年変化(エイジング)をお見せします
それでは約1年半の経年変化サンプルを見ていきましょう。土日を中心に街履きしたら次のような変化がありました。
【しわ】
足の甲とシャフトの部分は歩くときに曲がるのでしわが入ります。
特に左足のシャフトに入ったしわが印象的だったため写真を載せました。
このしわの入り方はレッドウィングのレザーの中でも特徴的なものです。
表面の塗膜が薄く、油分の多いレザーである「ブラック・プレーリー」特有のしわの入り方です。
細く繊細なしわが入り、塗膜が割れたような割れじわもありません。
足当たりが柔らかいため、足首の運動性が高くなります。
そのため、多方向にランダムにしわが刻まれました。
【茶芯】
街履きだと表面が削れることが少ないため、茶芯はあまり出ていません。
出ている箇所は靴ひもですれるタンの部分と、ぶつけやすいつま先とかかとの部分です。
かかと部分の茶芯は購入して1ヶ月経たないうちに出てきましたので、ブラック・プレーリーの茶芯の出やすさは本当のようです。
靴ひもとすれることでタンに茶芯が出ます。
使っている靴ひもを柔らかいクロムエクセルレザー製に変更しているため、茶芯は抑えめです。
レッドウィング純正のナイロンレースであれば、より茶芯が出やすいと予想しています。
かかとはブーツの脱ぎ履きのさいにぶつけやすいため、茶芯が出ています。
特にかかとの茶芯②は購入して1ヶ月で表れ始めました。
歩いていると何かとぶつけやすいつま先にも茶芯が表れています。
つま先の茶芯①のような革の削れと、つま先の茶芯②のような革の擦れで茶芯の表情も異なります。面白いですね。
履き込んで味が出てきたら手入れが必要になってきます。
下の記事でブラック・プレーリーの手入れに最適なクリームを紹介しているので、気になる方はご覧ください。
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ブラックプレーリーの手入れにはサフィールノワール オイルドレザークリームがおすすめ!
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コーデ例3選!似合うパンツは黒、デニム、チノパン
レッドウィング8849はややシックな印象を持ち、色も黒なので、似合うパンツの幅は広いです。
ここでは3つのパンツに合わせてみます。
デニムパンツと合わせたコーデ
まずは王道のデニムパンツ合わせたコーデ。
アイリッシュセッターはアメカジの王道ブーツなのでデニムとの相性は抜群です。
チノパンと合わせたコーデ
そして次に紹介するのがチノパンと合わせたコーデ。
もちろんこのままでもバッチリ合いますが、レザーに茶芯が出てきたらチノパンの色合いとマッチしてさらにカッコ良く決まります。
黒スキニーと合わせたコーデ
最後は黒スキニーと合わせたコーデ。
黒×黒で無難ではあるものの、スキニーの細さとブーツのボリューム感が良いコントラストを生み出しています。
まとめ
本記事が8849が気になっている方の参考になったら幸いです。
- レッドウィング 8849は茶芯レザー「ブラックプレーリー」を採用したアイリッシュセッターです。
- もう1つの茶芯アイリッシュセッターである9874とはレザーだけでなく、ワイズ、ディテール、パーツカラーなどの違いがあります。
- 茶芯特有の経年変化(エイジング)も魅力です。ブラックプレーリーは茶芯が出やすく、経年変化が早く出るのが特徴です。
皆さんも8849と一緒に楽しいブーツライフを送りましょう!