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レッドウィングのアップサイクルプロジェクト品を購入してみた!【状態Aのレビュー】

2025年9月29日

レッドウィングのアップサイクルプロジェクト品のレビュー

読者の知りたいこと

質問者さん
質問者さん

  • レッドウィングのアップサイクルプロジェクトではどんな商品が売られているの?
  • アップサイクル品の状態はどんな感じ?傷が目立つ?
  • レッドウィングは2022年春に新企画「アップサイクルプロジェクト」を開始しました。

    本企画は単なる「在庫品が安く買える企画」ではありません。
    その真の目的はSDGsの追求や流通市場の改善にあります。

    本記事では実際にアップサイクルプロジェクトでブーツを購入した僕が、ブーツの状態レビューを行うとともに、本プロジェクトの魅力を徹底解説します。

    アップサイクルプロジェクトとは

    リユースとリサイクル

    そもそもアップサイクルとは、本来は捨てられるはずだった製品にアイデアやデザインなどの付加価値を与え、本来よりも高い価値を持つ製品へと再生する取り組みのことを指します。
    この性質から「クリエイティブリユース(創造的再利用)」とも呼ばれています。

    廃棄物を原料やエネルギーに加工して再利用するリサイクル(再資源化)や、一度使ったものをそのまま繰り返し使用するリユース(再使用)とは異なる考え方です。

    レッドウィングは昨今のSDGsの流れを汲み、2022年春に「アップサイクルプロジェクト」を開始しました。
    倉庫に眠っていたデッドストックや、スタッフが履いたエイジングサンプル、不良箇所を修理して履ける状態にした製品などを本プロジェクトで販売しています。

    目的はサステナブルの追求と2次市場の価格改善

    SDGs

    アップサイクルプロジェクトは単なる「在庫品が安く買える企画」ではありません。
    その真の目的はサステナブルの追求と2次市場の価格改善にあります。

    サステナブル(sustainable)とは「持続可能な」という意味の言葉です。

    レッドウィングのヘリテージラインのブーツのほとんどが、グッドイヤーウェルト製法で作られています。(スーパーソールは除く)
    履き込んでソールがすり減っても、ソール交換をして同じブーツを履き続けることが可能です。
    この点で「リペアラブル(reparable)=修理できる」という性質を持っていることが分かります。

    また、レッドウィングのワークブーツは元々労働者向けに開発されています。
    過酷な作業環境に耐えうる堅牢な牛革を使用していることが特徴です。
    この点から「デュアラブル(durable)=耐久性のある」という性質も持ち合わせています。

    以上から、レッドウィングのブーツはサステナブルを体現するのに最適な製品であると言えるのです。

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    また、サイバーテロによる型紙データの消失やパンデミックによる工場の稼働制限などが重なり、レッドウィングは2020年以降思うようにブーツの製造・販売を行ってこれませんでした。

    この影響から廃盤品や在庫切れ品を中心に2次市場(フリマサイトや中古ショップなど)でブーツの価格が高騰。
    欲しいのに諦めざるを得ない人が続出しました。

    これに対応する策として考案されたのも、やはり今回のアップサイクルプロジェクト。
    デッドストックをお得な価格で販売することで、高騰している2次市場価格を抑えようとする取り組みでもあったのです。

    状態をA〜Eの5段階で表示

    レビュー

    レッドウィングのアップサイクル品はA〜Eの5段階で状態を表示しています。

    後述しますがアップサイクル品の中には10年以上倉庫で眠っていたブーツや、正規販売できずに倉庫行きとなったブーツが含まレています。
    こういったブーツたちの状態を判断するのに使われているのが、A〜Eの5段階表示というわけです。

    状態Aには撮影で使用したブーツや間違って日本に入ってきた海外発売モデルなどが含まれています。
    状態B以下だとスタッフが着用したエイジングサンプルや検品基準に引っかかったブーツなどが含まれています。

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    実際に購入したアップサイクル品”8890”をレビュー

    今回僕が購入したのはアイリッシュセッター6インチモックトゥのチャコール・ラフ&タフモデル”8890”です。

    レッドウィング8890

    #8890(アップサイクル品・状態A)

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    6インチモックトゥの定価は¥51,150(税込・2025年秋時点)ですが、僕が購入したブーツは¥48,592(税込)でした。
    これだけでもかなりお得なことが分かると思います。

    状態表示は「A」とあったため、アップサイクル品の中では綺麗な部類に入ります。

    アップサイクル品「状態A」のレビュー

    アップサイクル品の状態Aがどのような状態なのか気になる方も多いと思います。
    レビューするために届いたばかりのブーツを撮影し、写真に残しましたので、こちらで確認していきましょう。

    届いた箱を開封して出てきたのは、状態Aに相応しい綺麗な状態の8890でした。

    アップサイクル品のレッドウィング8890を開封。

    届いた8890を開封。

    上から見たレッドウィング8890

    from above

    前から見たレッドウィング8890

    front

    後ろから見たレッドウィング8890

    back

    レッドウィング8890の右足・内側

    右足・内側

    レッドウィング8890の右足・外側

    右足・外側

    レッドウィング8890の左足・内側

    左足・内側

    レッドウィング8890の左足・外側

    左足・外側

    一見全体的に綺麗ですが、よく見ると少しだけ傷と汚れが気になる箇所を発見しました。
    右足の外側には斜めに入った筋傷が、右足の内側には糊が飛び散ったような形跡が見られました。

    レッドウィング8890アップサイクル品の筋傷

    筋傷

    レッドウィング8890アップサイクル品の糊散り

    糊散り

    左足は外側・内側ともに綺麗であり、目立った傷や汚れは見られませんでした。

    右足の糊散りと筋傷ですが、ここが正規販売できなかった理由だと考えています。
    レッドウィングは案外検品基準が高く、少しでも傷・汚れ・規格外が見られた場合はすぐに倉庫行きかファクトリーセカンド品になります。
    右足のみ正規販売の基準を満たすことができず、アップサイクル品として売り出されたのであろうと予想しています。

    しかし、ラフ&タフレザーは正規販売品でも表面が比較的荒く、個体差も目立ちます。
    履いていくとすぐに傷が入り、ヴィンテージライクな味が出てくるレザーなので、チャコール・ラフ&タフに綺麗な状態を要求する方がおかしな話です(笑)
    すぐに気にならなくなると思いますね。

    また、個体差的にも当たりだったと思います。
    チャコール・ラフ&タフレザーは個体差が大きく、黒に近いもの、灰色に近いもの(中でも濃いめと薄めがある)、茶色に近いものが存在します。

    今回僕が購入した8890は灰色に近いものの中でもやや薄めの個体なので、最もチャコール・ラフ&タフらしい色合いだと考えています。
    購入した商品ページの掲載写真と同じ色合いだったので、その点でも安心しました。

    僕はチャコール・ラフ&タフレザーのアイアンレンジャー8086も所有しているので、ぜひ今回購入した8890と見比べてみてください。

    レッドウィング8086の記事
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    アップサイクル品の判別方法

    アップサイクル品には見分け方が存在します。

    シュータン裏のスタンプ、インソールのスタンプ、ボックスのスタンプで見分けることが可能です。
    これらにもアップサイクル品ならではの特別感が出ていて僕は好きです。

    タンのアップサイクルスタンプ

    タン

    インソールのアップサイクルスタンプ

    インソール

    箱のアップサイクルスタンプ

    ボックス

    また、裏革には白いステンシルが見られます。
    これがアップサイクルプロジェクト由来の特徴なのかについて、公式からの言及はありません。
    おそらくはレザー判別用のステンシルであり、それがたまたま使われた個体であっただけだと考えています。

    ブーツの裏革のステンシル

    裏革のステンシル

    アップサイクルプロジェクトで15年分の在庫を大放出

    レッドウィングジャパン代表の小林さんは元々品質管理を担当しておられました。
    アメリカ工場とやりとりをする中で職人さんの顔を覚えていったと聞いています。
    作った人の顔を知っているため、正規販売できない製品でも捨てるに捨てられなかったらしく、およそ15年分の未販売ブーツが倉庫に溜まっていったそう。
    しかしこれが今のアップサイクルプロジェクトに繋がっています。

    レッドウィングジャパンの倉庫には様々な理由で販売できなかった製品が溜まっています。
    なのでアップサイクルプロジェクトで販売される製品のバックボーンも非常に多様です。

    ここではどういった製品がアップサイクル品として販売されるのかを解説していきます。

    店頭展示品

    店頭に展示し続けたことで正規販売できなくなったブーツは、いったん倉庫に運ばれた後にアップサイクル品として販売されます。
    照明焼け傷・汚れがある場合がありますが、規格をきちんと満たしており、正規品同様に履くことが可能です。
    少しエイジングが進んだ個体というイメージでしょうか。

    撮影で使用された製品

    公式サイトの着画用公式YouTubeチャンネル撮影用公式SNS撮影用として使われたブーツがこれに該当します。
    十分綺麗ですが新品未使用を謳うわけにはいかないため、アップサイクル品として販売されます。

    日本未発売モデル

    レッドウィングには日本発売モデルと海外発売モデルが存在します。
    海外先行販売のような形で後に日本に上陸するケースもありますが、日本未発売の段階で間違って日本に入ってくるブーツもあるようです。

    もちろん新品未使用ですが、レッドウィングジャパンの正規販売品としては扱えないため、アップサイクル品として販売されます。

    倉庫で眠っていた在庫品(デッドストック)

    廃盤になった後も倉庫に少しだけ残っていることがあるようですね。
    そういったブーツもアップサイクル品として販売されます。

    ちなみに、2021年頃から数年間販売されていたショートエンジニアブーツも、同様の経緯を持つ品番でした。
    当時はまだアップサイクルプロジェクトが始動してしませんでしたので、急な復活に驚かれた方も多かったのではないでしょうか。

    製造サンプル

    新商品開発段階でサンプルとして製造されたプロトタイプもアップサイクル品として販売されます。
    これらの製品は正規品には見られないディテールを持っている可能性があります。
    普通には買えない製品であるため、アップサイクル品の中でも屈指のレア物となっています。

    規格違い品(エラー品)

    正規品とはステッチの色やソールが違うなど、規格違い(エラー)が起きた製品もアップサイクル品として販売されます。
    先述した製造サンプルと似ていますね。
    こちらも普通には買えない、マニア垂涎のレア物です。

    ファクトリーセカンドの話になりますが、かつて毛足が通常よりも長い9269が販売されたことがありました。
    正規品としての販売はできなかったようですが、「むしろ通常よりもカッコイイ」とSNSで話題になったことがあります。
    こういった製品を安く提供してくれるのはさすがレッドウィングといったところ。
    規格違い品の販売には期待大です。

    スタッフが着用したエイジングサンプル

    レッドウィングの店舗に必ずといっていいほど置いてあるのが、スタッフが着用したエイジングサンプル
    「むしろこれが欲しい」だなんて声も聞くほど、カッコ良く経年変化しています。

    レッドウィングのスタッフは仕事柄、新作が出るたびに履いてエイジングサンプルを作ります。
    元々はお客様にお見せするために店頭に置いていたのですが、晴れてこれらが公式販売されることに決定。
    「むしろこれが欲しい」というファンの願いが叶った結果になります。

    ソールがすり減っている場合には交換費用を乗せた金額で販売しています。

    不良箇所を修理した製品

    日本に入ってきた製品の中には、一部に不良箇所が見られるものも存在します。
    こういったものをレッドウィングのリペア部門にて、履ける状態に修理してから販売しています。

    修理費用が上乗せされた金額で販売されますが、定価を超えることはないと考えて間違いないでしょう。

    履くのに支障がない傷・汚れがある製品

    僕の購入した8890はこれに該当します。

    普通に履く分には支障がないものの、正規販売には至らない傷や汚れがある場合、今まで倉庫行きとなっていました。
    これらが今後、アップサイクル品として販売されるということですね。

    レッドウィングのブーツは履き込んでいけば、傷や汚れが味になりますから、最初から味のあるブーツという風に捉えたら良いです。

    右右・左左で入荷した製品の左右を合わせて販売

    面白いことに、レッドウィングのブーツが日本に入ってくる際に、右足同士または左足同士で入ってくることがあるようです。
    今までこういった場合には倉庫から出ることはありませんでしたが、今後は左右を合わせてアップサイクル品として販売されます。

    僕たち消費者からしたら面白いエピソードですが、検品するスタッフからすればとんでもなく迷惑でしょうね(笑)
    まぁ彼らもレッドウィングを愛している方たちなので、面白がっている可能性もありますが(笑)

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    アップサイクル品のメリット&デメリット

    アップサイクル品にはメリットとデメリットが存在します。
    ここでは製品の傷・汚れには触れず、アップサイクル品の購入時のメリット・デメリットを解説します。

    メリット①:レア物が手に入る

    宝箱

    最大のメリットはレア物が手に入ることですね。
    廃盤品やエラー品はマニアからすればお宝です。
    宝探し感覚でショッピンが楽しめます。

    メリット②:定価よりも安く買える

    スマホとお札

    定価よりも安く買えるのもアップサイクル品の魅力の1つ。

    僕が購入した8890は、定価¥51,150(税込・2025年秋時点)に対して、アップサイクル価格¥48,592(税込)でした。
    実に¥2,558もお買い得でした。

    新品同様でこの価格であれば、十分お買い得です。

    デメリット①:修理費が価格転嫁されている物もある

    ブーツ修理

    普通に履ける状態にするために、ソールなどを修理してから販売されるブーツもあります。
    この場合にはソール交換費用などが上乗せされるため、思ったよりも安くならないケースがあります。

    それでも定価を上回ることは考えづらいため、お買い得であることには間違いありません。

    デメリット②:届くまで状態の詳細が分からない

    配達

    販売ページに写真は掲載されているものの、詳しい商品の状態までは確認できませんでした。
    届くまで状態がはっきりと分からないため、中にはこわいと感じる方もいらっしゃるでしょう。

    アップサイクルプロジェクトに関する最新情報

    最後にアップサイクルプロジェクトに関する最新情報をお届けします。

    公式LINEで最新ラインナップの通知を受け取れる

    レッドウィングの公式LINEアカウントをお友だち登録すると、アップサイクルプロジェクトの新ラインナップ情報をいち早く受け取ることができます。

    アップサイクル品の人気は凄まじく、初回の販売では公式サイトのサーバーがタウンしたほど。
    中でもレア物はすぐに売り切れてしまうため、購入希望の方は常に最新情報を受け取れるようにしておきましょう。

    今後は買取サービスを展開する可能性がある

    商談 交渉

    今後お客様からレッドウィングのブーツを買い取り、それらをアップサイクル品として販売することを検討中とのこと。
    やりとりの方法としてはLINEを検討しているとか。

    まだ開始していませんが、これが実現したらかなり面白いですね。
    レッドウィングが公式に買い取りを行うとすれば、今までフリマサイトや中古ショップに流れていたものが、アップサイクル品として売り出される可能性も高いです。

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    まとめ

    本記事をまとめます。

  • レッドウィングは2022年春に新企画「アップサイクルプロジェクト」を開始した。
  • 単なる在庫品が安く買える企画ではなく、サステナブルの追求と2次市場の価格改善といった大きな目的もある。
  • 僕はアップサイクルプロジェクトで8890の状態Aを購入したが、糊散りや筋傷があるくらいで、全体的な状態は良好だった。
  • アップサイクル品は随所に専用スタンプが押してあるので、これで判別が可能。
  • アップサイクル品として、15年分の在庫品が放出されている。デッドストック、B級品、エラー品、日本未発売モデル、エイジングサンプルなど、多様なブーツが販売されている。
  • アップサイクル品のメリットはレア物が買えることと価格が安いこと。対してデメリットは修理費が乗って思ったより安くない場合があることと、届くまで細部まで状態を確認できないこと。
  • 公式LINEをお友だち登録することで、発売前に新ラインナップの情報を受け取れる。
  • 今後は買い取りサービスも実施される可能性がある。現在社内で検討中とのこと。
  • 今回は近年盛り上がっているレッドウィングのアップサイクルプロジェクトについて執筆しました。
    今回購入した状態Aには、やや目立つ汚れと傷があったものの、履く分には全く問題ありませんでした。
    状態Aであれば比較的綺麗な状態も期待できるため、欲しいモデルがあればぜひお得に購入してみてください。

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