読者の知りたいこと
かつて日本でも展開されていたゲッタグリップ。
実はかのDr.Martensと姉妹ブランドであるというのは有名な話です。
本記事ではゲッタグリップのエンジニアブーツブーツを購入した僕が、レビューするとともにその歴史を徹底解説をしていきます。
ゲッタグリップとドクターマーチンの違いとは?その歴史を徹底解説!!
ゲッタグリップとドクターマーチンの違いをよくご存知でない方は多いと思います。
外観的にもバウンジングソールでないことを見て取れますが、その違いの根幹は各々の歴史にあります。
【1901年】R・グリッグス社がノーザンプトンで設立したセーフティーシューズブランド
Getta Grip(ゲッタグリップ)は英国の老舗靴メーカー「R・グリッグス社」のオリジナルブランドです。
その起源は英国ノーザンプトンにあります。
1901年、農耕用のセーフティーシューズとして作られ、定評を得ました。
その後2度の世界大戦で軍用ブーツを供給し、その実績と知名度を確かなものにしました。
【1960年】R・グリッグス社がドクターマーチンの特許を取得し、姉妹ブランドに
1945年、戦後ドイツのミュンヘンにてクラウス・マーチン博士が戦後に残っていた靴修理屋の靴型と針を廃物利用して、怪我をした足の負担を和らげるエアクッションソールを発明します。
機械工学の知識を持つ大学時代の旧友、ヘルベルト・フンク博士とパートナーシップを結び、使用されていない軍事用品を原材料として用いて独自の靴を生産し始めます。
10年経たないうちにビジネスは成功を収めます。この頃の主な販売対象は年配女性。
1959年、彼らは自分たちの革新的な靴を海外の雑誌などに宣伝することを決定します。
そして、英国R・グリッグス社3代目社長のビルが、ドイツ人が発明した独創的なエアクッションソールの広告を目にします。
エアクッションソールの製造特許を獲得したR・グリッグス社は、黄色のウェルトステッチ、ツートンの溝付きソールエッジ、ユニークなソールパターンなど、今に残る特徴を持つブーツを考案します。
1960年4月1日、ついに生産ラインが稼働。その日付にちなんで「1460」と名付けられた8ホールブーツは、現在のドクターマーチンの中でも定番中の定番として人々に愛され続けています。
こうしてR・グリッグス社は、ゲッタグリップとドクターマーチンという2つのブランドを所有することになりました。
これが両ブランドが姉妹関係になった経緯です。
【1960〜80年代】スキンヘッズ、パンクス、ロッカーズ、ヒッピーの音楽&文化とともに
1960年代に起こった新たなカルチャーシーンにて、機能的なワークブーツをファッションに取り入れる動きが見られ始めます。
自身の労働者階級の誇りと反逆的な姿勢の象徴として、ゲッタグリップやドクターマーチンのブーツが履かれました。
こうしてブランドの歴史の流れが大きく変わり、実用的な労働履がサブカルチャーのファッションアイテムへと昇華したのです。
【1980〜90年代前半】日本に上陸し、人気ブランドの地位を獲得
ゲッタグリップブランドは日本でも展開されました。
エンジニアブーツが空前のブームを迎えたのが1980年中盤〜1990年代前半の渋カジ期。日本ファッション史でも多くの変化が起きた時期でもあります。
レッドウィングのエンジニアブーツが神格化される中、それが買えない層をターゲットとした安価なメーカーも目立ち始めます。
ゲッタグリップも日本では安価なブーツメーカーに位置していました。
その安価なのに高品質。コストパフォーマンスに優れたブーツブランドとして人気ブランドの地位を獲得します。
【〜2017年頃】日本から撤退
正確な時期は不明ですが、おおよそ2017年頃にゲッタグリップは日本市場から撤退します。
ドクターマーチンほどの実績を残せなかったことが理由としてあげられるでしょう。
それでも現在も多くのファンが存在し、輸入を通じて購入している人もいるほど。
ゲッタグリップが日本に来て残して帰った影響は、非常に大きなものであったと言えます。
ゲッタグリップの評判は?白黒ツートンエンジニアをレビュー
先述したように、ゲッタグリップ=安価であるということから、その品質を不安視されることも少なくありません。
実際にエンジニアブーツを購入してみて分かったのですが、レッドウィングやチペワに引けを取らない魅力に溢れていました。
ここでは僕が購入した白黒ツートンカラーエンジニアについて、徹底レビューをしていきます。
パンク極まる個性的なバイカラーデザイン
写真でもお見せしているように、僕が購入したのは白黒ツートンカラー。
エンジニアブーツにおいて、白黒ツートンカラーのものを他に見たことがありますか?
実際に探せばないことはないのですが(もしくはオーダーできる)、極めて希少なカラーであることは間違いありません。
黒のエンジニアブーツが白黒になると、パンク、ゴシックといった雰囲気を帯びるようになります。
一方でバイカー、アメカジといった雰囲気はあまり感じなくなりますね。
そういった意味でこのモデルは、かつてパンクロッカーに愛されたゲッタグリップの歴史を象徴するかのようなアイテムですね。
上質な本革を採用
もちろん本革を採用。エンジニアブーツに採用されている革なだけあって、分厚く丈夫です。
革質も悪くはありませんが、レッドウィングなどと比べると面白さが足りないというのが本音です。
グッドイヤーウェルト製法を採用
もちろんグッドイヤーウェルト製法。
ゲッタグリップを修理した記事や動画があり、そこでもグッドイヤーウェルト製法でソール交換が可能なことに触れられています。
本格派を好む人にとってはこの仕様は嬉しい限りです。
難点をあげるとしたら詰め物にコルクでなくスポンジを使っているところ。
スポンジは高いクッション性が長所ですが、加水分解による劣化が起こります。
廉価なスポンジを詰め物に使うことでコストをカットしているということなのでしょう。
ワンサイズ刻みで展開
僕が購入したものはUK7。USでいう7.5、日本でいう25.5cm相当です。
僕の場合サイズはぴったりですが、ゲッタグリップはワンサイズ刻みでしかサイズ展開がありません。
レッドウィングはハーフサイズ刻みでサイズを展開しており、より自身にぴったり合うものを見つけやすいです。
サイズ数を絞って在庫を減らし、コストをカットしていると考えられます。
-
レッドウィングのサイズ選びは実寸を基準に!スニーカーとの比較を徹底解説
続きを見る
白黒ツートンエンジニア×白黒ライダースのコーディネイト
ライダースといえば黒。エンジニアブーツといえば黒。これがステレオタイプです。
その普通を壊すかのような白黒ツートンのライダース&エンジニアを使ったコーデです。
合わせたライダースはクリスチャンダダ2015AWのパロットレザージャケットです。
これがゲッタグリップの白黒ツートンエンジニアのカラーとマッチします。
ここではパンツを変えた2種類のコーデをお見せします。
-
クリスチャンダダ2015AWパロットレザージャケットは西海岸×ゴシック×ラグジュアリーな佇まいのライダース
続きを見る
まずは黒のスキニーです。
全体をモノトーン配色にまとめており、統一感を持たせました。
黒スキニーはパンクファッションとも縁があるため、ゲッタグリップらしいコーデと言えます。
バンドをする人にもおすすめです。
続いてAPCのリジッドデニムを合わせました。
デニムが細身なので、白黒のライダース&エンジニアが持つ線の細いイメージを崩しません。
いつものバイカースタイルならば黒いジャケットと黒エンジニアですが、それが白黒ツートンに変わっただけで一風変わった印象になります。
このコーデで白いアメリカンバイクに乗ると、雰囲気と色合いがマッチして良さそうです。
ゲッタグリップを購入するならメルカリなどの中古サイトで!
先述したようにゲッタグリップは既に日本から撤退しており、中古サイトでの購入がメインとなります。
新品が欲しい場合は出回る可能性がかなり低いので、出品されるまで探す根気が必要になります。
僕はヤフオクで購入しましたが、商品数、価格ともに楽天市場とメルカリがおすすめです。
まとめ
本記事をまとめます。
- ゲッタグリップはR・グリッグス社のオリジナルブランドで、英国ノーザンプトンに起源を持つ。
- ドクターマーチンの姉妹ブランドもある。成り立ちこそ異なるものの、現在の顧客層はほとんど同じである。
- 日本からは既に撤退している。欲しい人は中古サイトで購入することになる。
- ゲッタグリップは安価なのに高品質な、コストパフォーマンスに優れるブランドである。本格派ブーツの特徴であるグッドイヤーウェルト製法であることも嬉しいポイント。ただしサイズ展開は1サイズ刻み。
- 僕が購入した白黒ツートンエンジニアブーツ。エンジニアには珍しいバイカラー仕様でパンクロックとも高相性。
本記事でゲッタグリップのブーツの魅力が伝わったのであれば幸いです。
アメカジブランドとは異なる歴史やファッション性が感じられ、いつものブーツコーデに変化を与えてくれます。
ロッカー風にブーツを履きこなしたい方はぜひ購入候補に入れてみてください!