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レッドウィングのミルワンってどんな革靴?ポストマンとの違いについて徹底解説!

レッドウィング9086 ミルワンブルーチャー・オックスフォード

読者の知りたいこと

質問者さん
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  • レッドウィングのミルワンってどんなブーツ?
  • ポストマンとよく似ているけど、どう違うの?
  • ビジネススーツに合わせても大丈夫?
  • ミルワンってもう廃盤になったの?
  • レッドウィングから出ている革靴として、ポストマンとよく比較されていた”ミルワン”
    ポストマンの知名度が高いだけに、ミルワンがどういった革靴なのか、実はあまり知らないという方も多いのです。
    本記事では、ポストマンと並ぶレッドウィングの名作革靴”ミルワン”について、実際の写真を使って徹底解説していきます。

    ミル・ワン・ブルーチャー・オックスフォードの特徴

    レッドウィング9086 ミルワンブルーチャー・オックスフォード

    Red Wing "9086" Mil-1 Blucher Oxford

    レッドウィングのミルワンの正式名称は「ミル・ワン・ブルーチャー・オックスフォード」です。
    この章ではまず、ミルワンとはどういった革靴なのか、その概要を解説していきます。

    米軍のオフィサーシューズをモデルに開発

    軍隊

    2016年春に発売が開始されたレッドウィングのミルワンには、Mil-1(ミルワン)ラストという特別な木型が採用されています。

    Mil-1ラストの「Mil」とは「ミリタリー」の略号です。つまりMil-1ラストはアメリカのミルスペック(軍用規格)のラストに該当します。

    ミルスペックのラストで実際に軍用靴として使われたものには、Mil-1、Mil-5、Mil-7などがあります。
    その中でもMil-1はオフィサーシューズ用のラストです。

    オフィサーシューズとは、米軍の将校がフォーマルな場で履いた靴のことです。
    米軍から支給されるので、サービスシューズと呼ばれることもあります。

    Mil-1ラストは1940年代に使用されていたNAVYラストをベースに、1953年に規格化され、1950年代半ばからアメリカ軍の統一オフィサーシューズラストとして使われるようになりました。

    実用的・機能的でありつつも、軍の尊厳を象徴すべく存在するオフィサーシューズ。
    そんなオフィサーシューズ用に設計されたこのラストからは、アメリカ靴ならではの機能美を感じることができます。
    Mil-1ラストの実に”アメリカ的”なたたずまいは、1930年頃にレッドウィング社で製造していた短靴のデザインにも通じるところがあります。

    エスカイヤレザーを採用

    シガーエスカイヤレザー

    シガー・エスカイヤレザー

    レッドウィングのミルワンには、エスカイヤレザーが採用されています。

    きめ細かい肌質のヘファーハイド(若い未経産の牝牛の革)が使われていることが特徴で、鞣して染色した後、銀面をレジンで固めて作られます。
    靴の仕上げ段階でバフを用いて磨き、強めのツヤを出しているため、ミルワンをはじめとしたクラシックドレスラインのシューズにはうってつけのレザーと言えるでしょう。

    カラー展開はシガーエスカイヤ(9086)ブラックエスカイヤ(9087)の2色。
    本記事で掲載しているのは茶色いカラーであるシガーエスカイヤです。

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    ミルワンとポストマンの違いを徹底解説

    ミルワンとポストマン

    左:ミルワン、右:ポストマン

    ミルワンはその外観からよく同ブランドの”ポストマン”と混同されます。
    間違えられる原因の1つは、ポストマンの方が有名であるからだと考えています。

    しかし、実際にミルワンとポストマンを比較してみると、これらにはかなりの違いがあることが分かります。
    ポストマンにはない独自の魅力も多く見つかり、レッドウィングの革靴の双璧をなす存在であると僕は考えています。

    この章ではミルワンとポストマンの写真を使って、各種ディテールを徹底的に比較しました。
    (比較に使ったのはラフアウトモデルであるアニポストマンです。気になる方は下の記事をご覧ください。)

    アニポストマンの記事
    レッドウィング アニポストマン
    【コーデ例6選】アニポストマンでスーツ・ジャケパンを着こなす!カッコよく仕上げるポイントを徹底解説

    続きを見る

    違い① レザー:ミルワンはエスカイヤレザー、ポストマンはシャパラルレザー

    ミルワンにはエスカイヤレザーが、ポストマンにはシャパラルレザーが採用されています。
    両レザーともクラシックドレスラインの革靴にふさわしい、上品な艶を持つレザーですね。

    大きな違いとして、ミルワンのエスカイヤレザーにはレジン固めを施されていることがあげられます。
    これによって革表面がツルツルとした質感になっていることが分かると思います。

    一方でシャパラルレザーは光沢はあるものの、やや自然な肌目を持っていることが分かります。
    新品時はぼやけたツヤ感ですが、経年変化でツルッとしたツヤ感に変化します。

    両レザーとも経年変化が非常に面白いため、長く履き込んで味を出していきたいですね。

    違い② ラスト:ミルワンはMil-1ラスト、ポストマンは210番ラスト

    先述しましたが、ミルワンにはMil-1ラストが使われています。
    1953年に規格化され、1950年代半ばからアメリカ軍の統一オフィサーシューズラストとして使われるようになった、長い歴史を持つラストです。
    つま先のゆとりをしっかりと確保しつつ、ノーズを伸ばすことでスマートに仕上げた、米軍規格らしい実用的なシルエットですね。

    一方でポストマンには210番ラストが使用されています。
    ポストマンは元々、歩き仕事である郵便局員たちに履かれていたシューズであったため、フォーマルな装いと歩きやすさを両立したフィッティングが特徴です。

    両方とも同じ革靴系に分類されるため、フィット感がよく似ています。
    つま先に向かって細くなる革靴寄りのフォルムで、ワイズもD。
    しかし、両方とも甲高幅広足の私にジャストフィットしました。

    薄手の靴下を履く場合、実寸通りのサイズの靴を選べば問題ありません。

    ミルワンとポストマンのサイズ感については、下の記事にも書いていますので併せてご覧ください。

    レッドウィングのサイズ選びの記事
    レッドウィングのサイズ表
    レッドウィングのサイズ選びは実寸を基準に!スニーカーとの比較を徹底解説

    続きを見る

    違い③ アウトソール:ミルワンはグロコードメダリオン、ポストマンはクッションクレープ

    ミルワンにはグロコード・メダリオンソールが、ポストマンにはクッションクレープソールが採用されています。

    グロコード・メダリオンソールは、1920年代後半にレッドウィング社で頻繁に使っていた、グロコードソールのパターンをベースにデザインされました。
    レザーのソールにラバーの半張りをプリセットした、ドレスライクかつヴィンテージ感満載のソールです。
    レザーソールのしなやかさ、反りの良さと、ラバーソールのグリップ力を併せ持つため、よく歩く方にもおすすめできるソールになっています。
    ソール自体が薄く、ヒールもあるため、外観はビジネス革靴のソールとほとんど変わりません。

    ポストマンに採用されているクッションクレープソールは、歩きやすさに定評のあるソールです。
    軽量でクッション性の高い発泡ラバーが素材のため疲れにくく、底面がフラットなので悪路でも安定した歩行が可能です。
    こちらもよく歩く方には非常におすすめできます。
    掲載している写真はソールがコーヒーカラーのモデルですが、通常のポストマンはソールがブラックなので、革靴として見てもビジネスシーンにちゃんと馴染みます。

    違い④ インソール:ミルワンはレザーインソール、ポストマンはアーチクッション有り

    ミルワンには多くのレッドウィングのブーツと同様に、かかとに1枚革を重ねたレザーインソールが採用されています。
    革なので汗をよく吸収し、ムレを防ぐ効果があります。
    また、履き込むことで飴色に変化するのも面白いポイントです。

    一方ポストマンのインソールは、1枚革にアーチクッションが付いた特別な仕様です。
    汗をよく吸収する効果は通常のレザーインソールと同じですが、アーチクッションが歩行をサポートし、疲れにくくする効果もあります。
    さすがは歩き仕事である郵便局員たちに履かれていたシューズです。

    歩きやすさはポストマンに軍配が上がります。
    先述したクッションクレープソールも相まって、歩きやすさはレッドウィング随一です。

    違い⑤ ハトメ:ミルワンは6つ穴、ポストマンは5つ穴

    非常に細かい点ですが、ミルワンは6つ穴、ポストマンは5つ穴のハトメを持ちます。
    それもあってミルワンの方がやや背の高いシルエットをしています。

    ただしあくまで外観の違いであって、履き心地や歩行性能に差が出ることではありません。

    違い⑥ かかと:ミルワンはS字デザイン、ポストマンはT字デザイン

    かかとのデザインにも違いが見られます。
    ミルワンには両側がS字にカーブした革が貼り付けられておりポストマンは革の切り替えしがT字になっています。
    ビジネス系の革靴だと、ポストマンの方のデザインが採用されていることが多いですね。ただしミルワンのものが派手というわけではありません。

    こちらもあくまで外観の違いだけなので、機能的に差が出るところではありません。

    ミルワンのエイジング(経年変化)写真

    レッドウィングのミルワン9086のエイジング(経年変化)

    ミルワン(9086)のエイジングサンプル

    甲に刻まれた深いシワが特徴的です。
    エスカイヤレザーは染色後にレジン固めを施したレザーであるため、折り曲げる部分は革が浮き、パッキリとしたシワが付きやすいです。
    通常の革靴には出せないワイルドな変化であると好意的に捉えています。

    レッドウィングのミルワン9086のエイジング(経年変化)

    深く刻まれたシワ

    手入れに関してはベーシックな靴磨きと同じ方法で問題ありません。
    レッドウィング・ジャパンが推奨しているクリームは純正のブーツクリームです。
    乳化性クリームなのでベタつかず、ワックス入りなので磨くとツヤを出すことができます。
    使いやすいクリームなのでぜひ。

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    ミルワンのコーデ2選

    ミルワンはレッドウィングの中でもクラシックドレスラインに位置しています。
    カジュアルなボトムスだけでなく、フォーマルなスラックスなどにも合わせることが可能です。

    カジュアル(ジーンズ)

    レッドウィングのミルワン9086とジーンズのコーディネイト

    ジーンズと合わせる。

    ジーンズに合わせるとこんな感じ。
    シガーエスカイヤレザーの深いブラウンは、インディゴとの相性もバッチリですね。
    コーデを少しだけきれいめにしたいときにおすすめです。

    フォーマル(スラックス)

    レッドウィングのミルワン9086とスラックスのコーディネイト

    スラックスと合わせる。

    ビジネスシーンに対応できるのがミルワンの良いところ。
    元々、米軍の将校がフォーマルな場で履いた靴であるため、スーツにも合わせやすいことは言わずもがなでしょう。

    外観はシンプルな外羽根の革靴であり、ビジネスだけでなく冠婚葬祭などにもOK。
    活躍の場が非常に広いことが強みですね。

    廃盤品なので購入は中古サイトで!

    2016年に発売が開始され、2021年頃に廃盤となったミルワン。
    現在は店舗に在庫もなく、購入手段は中古サイトなどに限られています。

    おすすめのサイトはヴィンテージレッドウィングを数多く取り揃えるHOPESMOREや、中古サイトの中でも出品数が多いメルカリとヤフオクがおすすめです。

    入手はやや困難なので、サイズが合うものがあればぜひ購入をご検討ください。

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    まとめ

    本記事をまとめます。

  • ミルワンは米軍のオフィサーシューズをモデルに開発されたモデルであり、Mil-1ラストという軍用規格の木型とエスカイヤというドレスライクな艶革を持つ。
  • ミルワンとポストマンはよく似ており、混同されることもしばしばある。しかしラスト、レザー、アウトソール、インソール、ハトメ、かかとデザインと、異なる点も数多く見られる。
  • 経年変化するとシワが深く刻まれるが、これはエスカイヤレザーが染色後にレジン固めされているため。
  • カジュアルなジーンズからフォーマルなスラックスまで、幅広いコーディネイトに対応可能。シンプルなデザインなので、冠婚葬祭もOK。
  • 現在はすでに廃盤。購入の際は中古サイトなどで探そう。
  • 本記事はミルワンが気になっている方の参考になったのであれば幸いです。
    廃盤になり入手もやや困難なため、類似したポストマンも選択肢に入れてみてはいかがでしょうか?
    両方ともシーンを問わず着用できるモデルなので、非常におすすめです。

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