読者の知りたいこと
- レッドウィングのミュールスキナーラフアウトってどうやって手入れするの?
- オイルドラフアウトって聞くけど、防水スプレーやオイル・クリームは使って大丈夫?
レッドウィングの中でも定番レザーとして高い人気を誇る『ミュールスキナー・ラフアウト』。
ラフアウトレザーではあるものの、オイルが含まれており、しっとりとした質感が特徴の“オイルドラフアウト”です。
ここで課題となってくるのがお手入れ。
ラフアウトレザーに必要な防水処理と、オイルドレザーに必要な油分補給の2つが同時に求められるため、革の性質をよく理解していないと、適切な手入れができません。
本記事では、初見では手入れの方法が分かりづらいミュールスキナーのお手入れ方法について紹介します。
レッドウィングのマニアである僕が、手入れを実演しているので、初めての方でも分かりやすくなっています。
ミュールスキナーの手入れに防水スプレーやオイル・クリームはNG!
基本的にラフアウトレザーにはオイルが含まれていませんが、“オイルドラフアウト”という例外があります。
その代表例がレッドウィングの『ミュールスキナー・ラフアウト』です。
ミュールスキナーはオイルドラフアウトに分類される
ミュールスキナー・ラフアウトとは

レッドウィングのブーツに採用されているオイルドラフアウトです。
靴製造のフィニッシュ工程でワックスを付けたバフをかけて仕上げられています。
この工程によりレザーにムラ感が生まれ、ワックスにより毛足が寝てややスムースな表情になります。
通常のラフアウトレザーに比べて濃い色合いをしており、しっとりした質感をしています。
経年変化によって寝ていた毛足が起き上がり、オイルが抜けることで退色が生じます。
これが通常のラフアウトレザーにない、独特の表情をもたらします。
現行ではホーソーン・ミュールスキナー・ラフアウト1色のみですが、2026年8月には青緑色のタイダルカラー、2024年頃までは灰色のスレートカラー、海外では青紫色のブルーベリーカラーが存在しました。
国内外で高い人気を誇る、レッドウィングを代表する定番レザーとして確立されています。
スウェード用防水スプレーでは油分が補給できず、不十分

オイルドラフアウトの手入れは、通常のラフアウトレザーと同じようにはいきません。
通常のラフアウトはオイルを含まない“ドライレザー”なので、防水スプレーで汚れ防止と撥水処理を行うのが、適切な手入れとされています。
ラフアウトレザーの手入れについては別の記事を書いていますので、こちらも併せてご覧ください。
しかし、オイルドラフアウトとなると、防水処理に加えて油分補給(オイルアップ)もしなければなりません。
つまり、通常のスウェード・ラフアウト用の防水スプレーだけでは不十分なのです。
オイルやクリームを塗り込んでも起毛にうまく馴染まない

かといってオイルやクリームを使って油分を補給するのもNGです。
レッドウィング公式からは純正のレザークリームを使うように書かれていますが、実際にこれを行うのは至難の業です。
ラフアウトのような起毛革に固形のケア剤を馴染ませるには、トロトロの液体になるまで溶かさなくてはなりません。
そして溶かしたところで、起毛革にまんべんなく塗り込むのは非常に難易度が高いと言えます。
ミュールスキナーの手入れにはモゥブレィサドルアップ『レザーエイジングスプレー』が最適!
じゃあどうしたら良いの?
ここで僕がオススメするのが、モゥブレィ・サドルアップの『レザーエジングスプレー』です。
M.MOWBRAY SADDLEUP『レザーエイジングスプレー』とは

2022年に誕生したモゥブレィの新ライン「SADDLEUPシリーズ」。
その中に『レザーエイジングスプレー』というケア剤があります。

通常の防水スプレーと同様に、撥水成分であるフッ素が含まれています。
それに加えて、油分であるローズヒップオイルと保湿成分であるラノリンも配合。
ラフアウトレザーに必要な防水処理と、オイルドレザーに必要な油分補給の2つを同時に行うことが可能です。
さらにラノリンによる保湿効果も期待できます。
スプレータイプであることも特徴で、成分を均一に馴染ませるのが難しい起毛革にも、簡単に使うことができます。
まさにミュールスキナーのようなオイルドラフアウトにぴったりのケア剤です。
【実演】ミュールスキナーの手入れの手順を解説
それではお待ちかね。
ミュールスキナーの手入れを実演していきます。
実際に手入れを行った際に撮影した写真を掲載していますので、初見でも分かりやすくなっています。
まず最初にお見せしたいのが、手入れ前のミュールスキナー。
半年ほど、週2回のペースで履いていたため、オイルが抜けかけていますね。
今回は僕が持っている8087、スレート・ミュールスキナー・ラフアウトを手入れしていきます。
用意するもの
手入れにあたって用意するものは、スウェードブラシとレザーエイジングスプレーの2つです。
※クリックすることで画像を拡大できます。
- スウェードブラシ
- レザーエイジングスプレー
それでは順を追って解説していきます。手順は以下の通りです。
①靴ひもを取る
②スウェードブラシでほこり落とし
③20cm程度離してレザーエイジングスプレーを吹きかける
④スウェードブラシで防水成分と油分を馴染ませる
★完了★
それでは実際に手入れしていきましょう。
手順①:靴ひもを取る

ブラッシングの前には必ず靴ひもを取りましょう。
こうすることで後工程の「ブラッシング」がしやすくなります。
ひもで隠れているシュータンの部分には、見えないほこりや汚れがたまっています。
ラフアウト系レザーの場合は、特にシュータン部分の汚れが溜まりやすいので、ここは念入りにブラシをかけたいですね。

また、靴ひもを取ることでシュータンにスプレーを吹きつけやすくする効果もあります。
靴ひもで擦れる箇所なので、革が傷ついたり乾いたりしやすい箇所でもあります。
手順②:スウェードブラシでほこり落とし

スウェードブラシでほこりを落としましょう。
後工程でスプレーを吹きかけるときに、革表面にほこりが付着していると、効果が十分に発揮できません。
汚れを強めてしまうリスクもあるため、ここでしっかりとほこりをオフしておきます。
ラフアウト系レザーの場合は、ほこりが吸い付きやすいので、少し念入りにブラシをかけます。
特にシュータンとシューホールガードの間や、コバの部分に汚れが溜まりやすいです。

ブラシはスウェード用のものを使ってください。
スムースレザーの場合には弾力のある馬毛ブラシを使いますが、ラフアウト系レザーの場合は毛の奥の汚れもかき出す必要があります。
なので基本的にはコシの強い硬めのブラシを使って、毛の奥までブラッシングを行います。
ただしブラッシング自体は優しめを心掛けてください。
強くしすぎてしまうと毛が抜けるなどのダメージに繋がります。
ブラシが強いので優しい力でも十分ほこりが落ちます。
今回使ったのは、コロンブス×東急ハンズがコラボしたスウェードブラシです。
全国の東急ハンズで買うことができます。
ブラシの硬さがほどよいため、僕はこれを愛用しています。
他にも真鍮ブラシやナイロンブラシもおすすめ。
特に評価の高い商品をピックアップしていますので、お持ちでない方はこの際にぜひ。
手順③:20cm程度離してレザーエイジングスプレーを吹きかける

ここでレザーエイジングスプレーの出番です。
振らずに20cm程度離してレザーエイジングスプレーを吹きかけてください。
吸い込まないように必ず屋外で行うようにお願いします。
全体にまんべんなく吹きかけます。
シュータンの部分にも忘れずに吹いてください。

また、特に乾きや色飛びが気になる箇所(今回はつま先)には、重点的に吹きかけるようにしてください。

手順④:スウェードブラシで防水成分と油分を馴染ませる

最後にスウェードブラシでスプレー成分を均一に馴染ませます。
両足にスプレーした後1〜2分待ってから行うと良いでしょう。
揮発性が高いため、すぐに乾いてくれます。
ここで使うブラシは汚れ落としで使ったものと同じで問題ありません。
スプレータイプは革表面でダマ(塊)になることがないため、ブラシが汚れる心配はありません。
成分を毛の奥まで浸透させるように優しくブラッシングしてください。
★完了★:表情を変えずに防水処理&油分補給ができた!
これで完了です。
用意するものも工程も少ないので、非常に簡単ですね。
手入れ前後の写真を比べるとこんな感じ。
スレート・ミュールスキナーのオリジナルの良さを保ったまま、防水処理と油分補給を行うことができました。
定期的に行うことでスレートカラー(灰色系)を維持しやすくなります。








そんなに変化はありませんが、ミュールスキナーの手入れにおいては、表情が変わりすぎないことはポジティブであると考えています。
たまに中古ブーツで、オイルが乾きすぎてバサバサになっていたり、オイルを不適切な方法で入れてベタベタになっていたりする個体を見ますが、手入れでミュールスキナー本来の質感が変わってしまうことは本望ではありません。
防水・油分補給・保湿・色直しが適度にできていれば、それでOKなのです。
混同しやすく、ミュールスキナーには使えないケア剤があるので注意!
防水処理に加えて油分補給と保湿もできるケア剤として、画期的な『レザーエイジングスプレー』。
しかし、これによく似ているけれど、ミュールスキナーには使えないケア剤があるのはご存知でしょうか?
買い間違いを防ぐために、2つのスプレーを紹介しておきます。
モゥブレィサドルアップ『レザーコンディショナー』
実は『レザーエイジングスプレー』には前身が存在します。
それがこの『レザーコンディショナー』です。

リニューアル前のケア剤なのですが、こちらはフッ素による汚れ防止・撥水処理しかできません。
リニューアルした『レザーエイジングスプレー』のように、ローズヒップオイルによる油分補給やラノリンによる保湿ができないため、オイルドラフアウトには不向き。
さらにモゥブレィ公式も「起毛革(ラフアウト、スウェード、ヌバック、ムートン)には非対応」としています。
ミュールスキナーの手入れを行う際には、必ずリニューアル版の『レザーエイジングスプレー』を使うようにしてください。
現行品としてネットや店頭に置いてあるのは『レザーエイジングスプレー』の方なので、新たに買う方は問題ないと思いますが、「昔から持っている」という方は要注意です。
モゥブレィ『デリケートスプレー』

モゥブレィのロングセラー商品『デリケートクリーム』がスプレーになった商品です。
こちらにも油分であるアボカドオイルに加え、保湿成分であるラノリンが含まれていますは、防水成分が含まれていません。
また、モゥブレィ公式も「あくまでスムースレザー用であり、起毛革には非対応」としているため、ミュールスキナーの手入れには使えません。
実はこの『デリケートスプレー』、当ブログではレッドウィングのラフ&タフレザーの手入れで紹介しています。
ラフ&タフは“オイルドヌバック”であり、正確には起毛革に分類されますが、毛羽立ちが非常に細かく、スムースレザーとヌバックの中間的な外観をしています。
防水処理も必要ないため、ラフ&タフの手入れには使うことができます。
こちらについては別の記事を書いていますので、ぜひご覧になってください。
ミュールスキナーとラフ&タフは、コンセプトとしては若干似ていますが、革の性質は全く異なるのです。
それぞれに適したケア剤を使用するようにしてください。
まとめ

本記事をまとめます。
- ミュールスキナーは“オイルドラフアウト”に分類され、ラフアウトレザーとオイルドレザー両方の側面を持っている。
- ラフアウトに必要な防水処理と、オイルドレザーに必要な油分補給を同時に求められるため、通常の防水スプレーや固形のオイル・クリームは不向き。
- モゥブレィサドルアップ『レザーエイジングスプレー』なら、フッ素による防水とローズヒップオイルによる油分補給が可能。スプレータイプなので起毛革にも使いやすい。
- 半年履いたブーツを手入れしたところ、手入れ前後の外観の変化は少なかった。しかし表情を変えずに油分補給できるのはポジティブに見て良い。
- リニューアル前の『レザーコンディショナー』や同社製の『デリケートスプレー』は一見よく似ている。しかしコンセプトが異なるため、ミュールスキナーの手入れには不向き。
ミュールスキナーは手入れに工夫を要しますが、『レザーエイジングスプレー』ならば1本で防水処理・油分補給が行えます。
今まで通常の防水スプレーや、固形のクリーム・オイルを使っていたという方は、この機会にぜひ『レザーエイジングスプレー』に切り替えてみてください。
また、本記事で言及していませんが、オイルドラフアウト以外にも使うことができます。
面積が大きく、クリームの塗り伸ばしが難しい革ジャンや、
比較的エイジングが進んでおらず、ライトに手入れしたいブーツなど、
様々なアイテムをサッと手軽に手入れできます。
汎用性が高いケア剤なので、気になる方はぜひ購入してみてください。









