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近年のレッドウィングの世界共通化戦略について解説!【ブーツマニアであり中小企業診断士でもある僕が分析】

2024年8月18日

レッドウィングの世界共通化戦略

読者の知りたいこと

質問者さん
質問者さん
近年レッドウィングが変わったと言われるけどなぜ?

もっと深掘りするとこのようなことを疑問に思われていませんか?

質問者さん
質問者さん

  • レッドウィングで長年愛されたモデルが廃盤になっていくのはなぜ?
  • アイリッシュセッターは昔Eワイズだったのに、なぜ今のモデルはDワイズなの?
  • レッドウィングが昔からお好きな方は「最近レッドウィングは方針を変えているな」とお気づきかと思います。
    中でも顕著なのが2020年以降の廃盤ラッシュアイリッシュセッターのDワイズ化ですね。
    巷ではレッドウィングの”世界共通化戦略”とも言われています。

    当然公式から名言があったわけではありませんが、近年の傾向を追い続けている僕が、本件について徹底解説をしていきます。
    僕は中小企業診断士資格を所持しているため、企業の経営戦略という観点でもお話しすることができます。
    ぜひ最後まで見てってください。

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    2020年頃から始まったレッドウィングの世界共通化戦略について

    地球儀

    この話を始めるにあたって、そもそも日本市場で販売されているレッドウィングのブーツには、日本企画モデル世界共通モデルの2種類があることを説明しておかなけばなりません。

    日本企画モデルとは、主に日本市場向けに製造・販売される品番のことで、原則日本のみで販売されています。
    管轄はレッドウィングの日本法人であるレッドウィング・ジャパンですね。

    例をあげると1980~90年代の伝統的な茶芯ブラックレザーを再現したブラッククロンダイクや、元来日本で人気を博していたオロラセットポーテージが該当します。

    日本のレッドウィングファンから高い支持を集めているモデルであり、デザインには”ヴィンテージ&ヘリテージ”の意匠が見られます。
    日本のファッション史を語る上で欠かせない”渋カジブーム”を支えた日本のレジェンドたちとでも言いましょうか。

    一方で世界共通モデルとは、アメリカ本国のレッドウィング・シューカンパニーでラインナップされている品番を指します。
    これらはアメリカから世界中に輸出され、世界中のレッドウィングショップで販売されます。

    レッドウィング・ジャパンは2010年代までは日本市場を強く意識したモデルを販売していました。
    日本人が作った言葉である”茶芯”を特徴としたブラッククロンダイクシリーズ、日本のレッドウィングのアイコンであるオロラセットシリーズ、ヘリテージ&ヴィンテージを体現したベックマンフラットボックスなど...。
    これらのブーツに魅せられてファンになったという方も多いのではないでしょうか?

    しかし2020年頃から世界共通化の兆候が現れ始めます。理由は経営方針の変更だと言われています。

    質問者さん
    質問者さん
    なぜレッドウィングは巨大市場”先進国日本”をもっと見ないのか...?

    次の章以降でその理由を解説していきます。

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    アメリカ本国のレッドウィングではヘリテージラインよりもワークラインが主力

    ワーカー

    そもそもアメリカ本国のレッドウィング・シューカンパニーでは、日本で売られているようなファッション的なワークブーツを主力商品としていません。
    アイリッシュセッターやアイアンレンジャーなどのファッション的なブーツはヘリテージラインに分類されており、本国のラインナップ全体から見るとごく一部なのです。

    質問者さん
    質問者さん
    じゃあアメリカ本国のレッドウィングってどんな靴を売っているの?

    実はアメリカ本国の主力商品はワークラインと呼ばれるガチガチのワークブーツなのです。
    もちろん現代の作業環境に適した最新鋭のワークブーツです。
    ”ワークマンに近いイメージ”と言えば分かりやすいでしょうか。

    見てみたい方はレッドウィングアメリカ本国の公式サイトをご覧ください。

    世界共通化を推進する理由は生産の合理化にある

    靴工房

    質問者さん
    質問者さん
    日本にはコアなファンがいるのに、なぜ日本市場向けの商品をもっと展開しないのか...?

    この理由を中小企業診断士である僕が解説します。

    結論を言えば”生産の合理化”が理由です。

    いくら世界のレッドウィングといえども、経営の問題は必ず抱えています。
    全ての商品をアメリカ工場で作っているため、本国と日本で作るものが異なれば、機械の段取り替えなどが発生して生産効率が落ちます。
    これをできる限り効率化・合理化しようとすれば、作る商品を統一化する(本国と輸出先の国の商品が同じになるようにする)ことになります。

    問題はそれだけではありません。
    2020年から始まったコロナ・パンデミックに端を発するアメリカ工場の稼働制限もあげられます。
    この頃よりレッドウィングではエンジニアブーツの製造を停止しています。

    またアメリカ工場の熟練スタッフが大量離職したという情報もあります。
    上述の2020年頃から大量離職が始まったそうです。
    詳細は不明ですが、スタッフと会社の間でトラブルがあったと想定されます。
    熟練スタッフの離職はブーツの生産にも大きな影響を及ぼすため、生産の縮小要因となり得ます。

    経営の予測が不透明なこのご時世、ラインナップと在庫を増やし続けることにはリスクがつきまといます。
    「リスク回避策は致し方ない。」として打ち出した方針が”生産の合理化”なのだと考えています。

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    世界共通化の良かった点&悪かった点

    地球儀

    世界共通化によって消費者である僕たちはどう反応しているのか。
    正直に申し上げると残念な声も聞こえています。
    しかし中には前向きに捉える声もあり、市場の反応は複雑なものになっています。

    ここでは悪かった点と良かった点を分けてそれぞれ解説していきます。

    悪かった点

    • 長年日本で愛されてきたモデルが廃盤になった
    • アイリッシュセッターが日本人の足に合いづらくなった
    • 新発売から生産終了までのスパンが短くなった

     

    良かった点

    • 今までなかった個性的なカラーが続々と登場
    • ウィメンズ(レディース)のプロモーションが活発化
    • ワークラインの斬新なデザインが日本上陸を果たす

    悪かった点①:長年日本で愛されてきたモデルが廃盤になった

    日本国旗

    個人的にこれが最も残念でした。
    長年日本で愛されてきたモデルがいくつか廃盤、もしくは暫定廃盤状態になってしまいました。

    レッドウィング・ジャパンの代表作”ラフアウトエンジニア8268”が廃盤。

    レッドウィング8268

    8268

    日本のレッドウィングのイメージをアイリッシュセッターを二分する”エンジニアブーツ2268”。こちらは暫定廃盤に。

    実物のレッドウィング2268

    2268

    ”レッドウィングと言えば〇〇”というモデルがどんどん廃盤になっていくのは寂しい思いですね。
    しかし出会いがあれば別れがある。
    今後のアイコン的モデルの登場に期待です。

    悪かった点②:アイリッシュセッターが日本人の足に合いづらくなった

    足

    アイリッシュセッターと言えば”Eワイズモックトゥの履きやすさ”でお馴染みでした。
    日本人に多いとされる甲高・幅広の足形には、Eワイズのモックトゥが抜群にフィットします。

    しかし近年の新作としてリリースされるアイリッシュセッターはそれもDワイズ。
    Dワイズでもハーフサイズ上げることでフィット感を調整できますが、Eワイズのフィット感には敵わないものがあります。

    EワイズとDワイズの差が分かる記事
    レッドウィング8849
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    「新作のレザーとカラーはカッコイイけどEワイズ派なんだよなぁ...」という方も少なくないでしょう。
    僕もそう思っているうちの一人ですから。

    悪かった点③:新発売から生産終了までのスパンが短くなった

    靴工場

    近年リリースされるモデルは発売から2〜3年で廃盤になることも珍しくありません。
    2021年に発売された8863は2024に廃盤に。2022年に発売された8087は2024年に生産が終了。2021年に発売された8086に至ってはわずか1年で生産が終了しています。

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    昔は発売から10年以上経過しているような息の長いモデルもざらにありました。
    しかし近年は一定期間である程度の数量を作り、新作を出すにあたって前のものは廃盤にするという方針が見られます。
    まるで正規ラインナップでありながら数量限定モデルのよう。

    欲しいモデルがあればすぐにでも買うことをおすすめしています。

    良かった点①:今までなかった個性的なカラーが続々と登場

    レッドウィングのグレーカラーレザー

    一定期間で新作の開発〜生産終了を繰り返すおかげか、カラーについてはやや挑戦的になった印象です。
    代表作はスレートミュールスキナーラフアウト(グレーのラフアウト)、チャコールラフアンドタフ(グレーのオイルドヌバック)、アルパインポーテージ(グリーンのオイルドレザー)があげられますね。

    これらはどれも魅力的でレッドウィングらしからぬ洗練されたカラーのレザーです。
    中でも僕の大のお気に入りがチャコールラフアンドタフの8086。
    個別の記事を書いていますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。

    8086の記事
    アイアンレンジャー8086 チャコールラフアンドタフ
    アイアンレンジャー8086チャコールラフ&タフってどんなブーツ?(エイジングの魅力と廃盤決定)

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    良かった点②:ウィメンズ(レディース)のプロモーションが活発化

    レディースファッション

    古参ファンには「変わった」と言われてしまい、やや不評な昨今のレッドウィング。
    なんとしてでも新たな顧客層を取り込みたい中、特に力を入れているのがウィメンズ(レディース)ラインの拡充です。

    レッドウィングのレディースブーツ

    ここは女性の小林社長の影響力もあり、ウィメンズがかなりの盛り上がりを見せています。
    ブーツ本体だけでなくカスタムパーツであるジッパーユニットにもウィメンズ専用モデルが登場。
    ウィメンズの活発化には期待が高まります。

    ジッパーユニットの記事
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    これはアメカジ業界全体にとっても良いことです。
    女性に人気のブーツブランドと言えば、今までドクターマーチンやティンバーランドが主でしたが、アメカジの雄レッドウィングが女性に人気になることで、ファッション業界を大きく牽引するレディースにアメカジ波が訪れる可能性が高まります。
    女性のアメカジコーデ、僕はとても好きですね。

    良かった点③:ワークラインの斬新なデザインが日本上陸を果たす

    ワーカー

    ヘリテージラインが縮小しているのであれば、元祖レッドウィング式マーケティングである”ワークブーツをファッションアイテムに”を行えば良いんです。
    そこで満を持して登場したのが11インチペコス(1155)。日本でかつてラインナップされていた旧ペコスとは違い、本国のワークラインのブーツです。ついにワークラインのブーツが日本に上陸を果たしました。

    レッドウィング1155 11インチペコス

    レッドウィング1155 11インチペコス

    ワークブーツをファッションアイテムに昇華させる試みにより、かつてエンジニアブーツが世界で大流行した時と同じムーヴメントを感じられる気がしています。
    ”作業靴からお洒落靴へ。”
    アメカジファッションの幅を広げる一翼を担うことが期待された一足ですね。

    クロンダイク、オロラセット、ホーソーンアビレーンあたりは今のうちに購入推奨

    ブラッククロンダイク、オロラセットポーテージ、ホーソーンアビレーンラフアウト

    近年の世界共通化方針を受け、僕から皆さんにアドバイスできることがあるとしたら、
    ”ブラッククロンダイク、オロラセットポーテージ、ホーソーンアビレーンラフアウトあたりは今のうちに買っておくべき!”
    ということくらいですね。

    これらはすべて日本市場向けに販売されている日本企画モデルに使用されているレザーです。
    日本で愛されているモデルなので持っておいてまず間違いないかと。
    買うなら今のうちです。

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    まとめ

    地球儀のモニュメント

    本記事をまとめます。

  • 2020年頃からレッドウィングは商品の世界共通化戦略を始めている。
  • アメリカ本国ではヘリテージラインは副ラインにすぎない。生産を合理化するべく本国販売分と世界輸出分を統一化する試みであると予想。
  • 世界共通化の悪かった点は、廃盤ラッシュ、アイリッシュセッターのDワイズ化、ラインナップ期間の短期化があげられる。
  • 世界共通化の良かった点は、個性的なカラーの登場、ウィメンズラインの拡充、ワークラインの日本上陸があげられる。
  • 日本企画モデルは今のうちに買うべき。クロンダイク、オロラセット、ホーソーンアビレーンあたりが狙い目。
  • 本記事がレッドウィングファンの皆さんの中にあった違和感を解消するものになったのであれば幸いです。
    方針が変わろうと我々が大好きなレッドウィング。
    最近でも魅力的な新商品が続々とリリーズされています。
    今後もレッドウィングを応援し、アメカジ界隈を盛り上げていきましょう。

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