読者の知りたいこと

2020年にラインナップに追加され、瞬く間に人気を得た茶芯レザー”ベジタブル・タンニン・カウハイド(通称ベジカウ)”。
今まで茶芯のルイスレザーを入手しようとすると、ごく僅かしかない70'sヴィンテージを探さなければなりませんでした。
こういった意味でもベジカウの登場はルイスユーザーにとって非常に意味のあるものでした。
ベジカウが気になっている方も多いと思いますので、本記事では僕が実際にオーダーしたベジカウのライトニングをご紹介します。
せっかくの茶芯レザーなので、カスタムオーダーをフル活用して60〜70年代のヴィンテージ風ライトニングに仕上げました。
ルイスレザーでベジカウのライトニングをカスタムオーダー
まずはカスタムオーダーした実物の写真をお見せします。
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ベースモデルは391Tライトニングタイトフィットです。
ライトニングはロンジャンの最もベーシックなデザインであり、ルイスレザーでもアイコン的存在のモデルです。
カスタムオーダーの際に使用したオーダーシートはこんな感じ。
レザーはベジタブルタンニンカウハイドのブラックを選択。
他にもスクエアパッチ、タータンチェック裏地、ベージュテープ、内ポケットなど、各パーツにこだわりを持ってオーダーしました。
今回のカスタムオーダーでモチーフとしたのは60〜70年代のヴィンテージピース。
次の章以降でカスタムのポイントを一挙に紹介していきます。
60〜70年代のヴィンテージピースをイメージしたカスタム
さて、今回のカスタムオーダーでモチーフとしたのは60〜70年代のヴィンテージピースです。
2020年に追加されたベジタブルタンニンカウハイドのおかげで、70年代の茶芯ルイスレザージャケットを新品で再現できるようになりました。
そしてさらに再現度を上げているのがパッチ、裏地、テープのカスタム。
パーツごとにオーダーできるルイスレザーの強みを最大限に活かすことができます。
ヴィンテージ風カスタムの内容は以下の通り。
それでは1つずつ見てきます。
70年代の茶芯レザー
まずは今回のカスタムオーダーの立役者、”ベジタブル・タンニン・カウハイド(通称ベジカウ)”を紹介します。
2020年に追加された比較的新しいレザーになります。
渋鞣しの上質なイタリアンカウハイドであり、経年変化でスレた箇所から地の茶色がのぞく茶芯仕様です。
サーチチャージは¥88,000(税込)と、ルイスレザーで最も高価な革でもあります。
ルイスレザーズの長い歴史の中でも70年代のごく短い期間に茶芯のジャケットが存在しました。
ベジカウが登場するまで茶芯レザーがラインナップされていなかったため、茶芯のルイスレザーを入手する際にはヴィンテージ市場を探さなければなりませんでした。
当然入手には骨が折れる一品。ルイス×茶芯を求める声も多く存在していたと聞きます。
2020年に満を持して登場したベジカウにより、その問題が解決。
新品で茶芯のルイスレザージャケットを入手することが可能になりました。
ベジカウの面白いのは、カウハイド(牛革)で茶芯レザーを登場させたところ。
ヴィンテージの茶芯ルイスレザージャケットの多くはシープスキン(羊革)が使われています。
それをまさかのカウハイドでリリース。
黒光りする艶やかな革質に加え、ライダースジャケットにふさわしい厚みとコシを備えた、迫力満点のレザーに仕上がりました。
今回は王道のブラックを選択しましたが、ブラウン、テラコッタ、グリーン、ネイビーも存在します。
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どれも渋鞣しで作られるクリアな銀面と発色を持つ魅力的なカラーレザーです。
個人的にネイビー×ブラウンのコンビカラーなんかも気になります。
60〜70年代のスクエアパッチ
胸ロゴパッチが最初に付けられたのは1966年のこと。
最初は長方形の”スクエアパッチ”で、1973年まで使用されていました。
その後に楕円形の”オーバルパッチ”に仕様変更。ルイスレザーといえばこちらのイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
現在はスクエアパッチがカスタムオプションとして再導入され、オーバルとスクエアを選択できるようになっています。
ヴィンテージファンはスクエアパッチに魅力を持つ傾向にあり、人気のカスタムパーツの1つになっています。
60年代のタータンチェック裏地
ロンジャンの定番となっているタータンチェック裏地。
アディクトクローズや666でも見かける、もはや定番の裏地デザインですね。
”スコティッシュ・タータンチェック”とも呼ばれ、イギリスを構成するカントリーの一つであるスコットランドに由来します。
実はこのタータンチェック、ルイスレザーでは1960年代に使われていたという歴史があります。
ルイスレザーのタータンチェックは、スコットランドの優れた織物職人によって作られたオールウール製。
暖かく、耐久性がありながら、着ると柔らかく、スッキリした着心地。
60年代の雰囲気を感じたい方だけでなく、他のジャケットと差をつけたい方にもおすすめのカスタムパーツです。
色落ちしたベージュテープ
最後に紹介するのは色落ちをイメージしたベージュカラーのテープ。

と思われた方のために、ベージュテープのルーツを解説します。
ベージュカラーに色落ちしたテープは、ヴィンテージのジャケットに見られる特徴です。
当時は染色技術が発展途上にあり、新品時には黒かったテープも日焼けにより、黒→焦茶→茶→ベージュと変化していました。(現在のブラックテープは染色が強く、色落ちが発生しにくいことが一般的です。)
これが味の1つとして捉えられ、中でも茶芯レザーの黒→茶への変化と似ていることから、テープ版の茶芯と言われることもあります。
ベジカウのような茶芯レザーとの相性は抜群で、黒×茶のコントラストの美しさを表現できます。
他カスタム内容
先ほどまでにヴィンテージピースをイメージしたカスタムのポイントを見てきました。
ここからは全体的なフィット感の調整と内ポケットの追加について見ていきます。
着丈と袖丈をカット
ルイスレザーでは着丈・袖丈・裾幅の3点の寸法を調整することができます。
僕は身長172cmですが、肩幅がやや広く、胸囲に厚みがあるため、サイズ40を選択しています。
デフォルトでは着丈と袖丈が長い状態だったので、この2点をカット。
着丈を-2cmして62cmに、袖丈を-3cmして62cmに変更。
仕上がりの丈感はバッチリですね。
ロンジャンはベルトが隠れるくらい(動いたときにベルトがチラチラ見えるくらい)の着丈が基本とされています。
寸法オーダーのおかげで、理想的なサイズ感のジャケットが完成しました。
3点寸法調整前のベースサイズの選び方については、下記の記事をご参照ください。
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ルイスレザーのサイズ選びは肩幅と胸囲を基準に!試着画像とサイズ表で解説!【ライトニングタイトフィット】
続きを見る
内ポケットを追加
内ポケットもオプションで付けることが可能。
ライダースジャケットは鞄を持たず、手ぶらで着たいことから、左側にポケットを配置しました。
あると非常に便利なので、カスタムの際には必ず検討したいパーツです。
ベジカウのライトニングを使ったコーディネイト例
ベジカウの茶芯はワイルド系と形容されることもあり、本来ロンジャンとは合わせにくいと言われているワークブーツともよく合います。
ここではベジカウのライトニングを使ったアメカジコーデを2つ紹介していきます。
ライトニングベジカウ×リジッドデニム×茶芯エンジニア
A.P.C.のリジッドデニムとレッドウィング9268茶芯エンジニアを合わせたコーディネイト。
王道バイカーコーデであり、ダーク系カラーでまとめて引き締まった印象を演出しています。
こういった無骨なコーデでも、ベジカウなら馴染みます。
黒光りしたレザーが重厚感をより一層高めてくれます。
ベジカウの登場により、ついにルイスレザーも茶芯エンジニアと合わせることができるようになりました。
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ライトニングベジカウ×薄色デニム×ラフアウトエンジニア
A.P.C.のウォッシュドデニムとレッドウィング9269ラフアウトエンジニアを合わせたコーディネイト。
薄色ジーンズ×ベージュラフアウトエンジニアの組み合わせもまた、アメカジ界では王道されている組み合わせ。
茶芯やベージュテープがジーンズのライトブルーとブーツのベージュと見事にマッチ。
それぞれ異なる色合いのアイテムでも、ライダース・ジーンズ・ブーツの一体感を感じられます。
淡い色どうしを組み合わせているので、軽やかさを演出することもできます。
同時に温かみも感じさせるため、冬にもおすすめのコーデとなっています。
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ベジカウのエイジング(経年変化)
ベジカウの最大の魅力といえば、茶芯のエイジング(経年変化)でしょう。
エイジングサンプルとしてブロンクス、サイクロンの2つをお見せします。
ブロンクスベジカウのエイジング
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アメジャン寄りのシルエットを持つブロンクスジャケットと、無骨なベジカウは相性抜群ですね。
腕や襟など、スレやすい箇所に茶芯が見られます。
シワの入り方もワイルドで、一見するとヴィンテージのアメジャンのよう。
先述したコーディネイトとも非常に相性の良いジャケットです。
サイクロンベジカウのエイジング
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ルイスレザーのダブルライダースの中でも、ライトニングと双璧をなすのがこのサイクロン。
フロントフラップベルトなど、エイジングの楽しみが多いジャケットなので、個人的には茶芯のベジカウ仕様で着たい一着。
この個体はまだ茶芯が出ていませんが、腕に刻まれたシワ(通称:蛇腹)の迫力は見事なもの。
着込んでいけば蛇腹からも茶芯が出てきますので、今後が楽しみな一着ですね。
まとめ
本記事をまとめます。
今回オーダーしたベジカウのライトニングは育てがいのある一着ですね。
長年着込んで迫力のある茶芯ライダースを目指します。
またブラック以外にもブラウン、テラコッタ、グリーン、ネイビーも登場しましたので、次の候補としてサイクロンのコンビカラーも検討しています。
ルイスレザーのエイジングに革命を起こしたベジカウに、今後も目が離せません。