読者の知りたいこと
- レッドウィング8078ってどんなブーツ?
- アルパイン・ポーテージの経年変化が見たい!
- アルパイン・ポーテージってどうやって手入れするの?
- 8078を使ったコーディネイトが見たい!
- 生産終了って聞いたけど、廃盤になるの?
レッドウィングの中でも人気モデルの地位を確立しているアイアンレンジャー。
その中でも特に異彩を放っているのが、グリーン系カラー「アルパインポーテージ」を採用した8078。
本記事では僕がアイアンレンジャーの中で最もカッコいいと思うモデルの1つ、8078について徹底解説します。
アイアンレンジャー8078の外観・ディテール

はじめに僕の所有する8078の外観とディテールを見ていきましょう。
2025年11月にに新品で購入したものです。







カーキグリーン×ブラウンのアースカラー
グリーン系のスムースレザーを採用した、レッドウィングの中でも珍しい外観を持つモデル。
アルパイン・ポーテージレザーは、断面にほんのり茶色みがあるため、ブラウンのコバとも自然に馴染んでいます。
ブーツ全体に「アースカラー」と呼ばれるカラーリングが見られることが特徴です。

トゥカップの部分だけ色が薄く見えますね。
これは革の中の油分が動くことによって生じるもの。トゥカップで革が引き伸ばされて、オイルも革につられて広がった結果、革の色が薄く見えているのです。
一見ツヤ革にも見えますが、実は結構オイリーなんですね。

グリーン×ブラックの特別タスランシューレース

シューレースはグリーン×ブラックのタスランレースを採用。
このシューレースはアルパイン・ポーテージが使われた、アイリッシュセッター"8828"とアイアンレンジャー"8078"にしか付属していません。
レース単体では一般販売されていない非売品シューレースです。
ただし、直営店には予備としてこのシューレースが置いてあることがあります。
僕も特別に購入させてもらったので、シューレースだけ欲しい方は、お店に問い合わせしてみると良いでしょう。
このシューレースはチャコール・ラフ&タフのアイリッシュセッター"8890"と抜群の相性を誇ります。
下の記事でカスタム写真を掲載していますので、気になる方はぜひご覧ください。

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8078にはブラックのレザーシューレースも同梱されていますが、もう一方のグリーンタスランレースの方が似合いますね。
特別感もあるので、ほとんどの人がこちらを選んでいるようです。

ブラックのステッチ


ステッチの色はブラックですね。
もう1つのアルパインモデル、アイリッシュセッター8828にはシャンパンゴールドのステッチが採用されていました。
ブラックステッチの方が引き締まって、アイアンレンジャーにはよく似合いますが、個人的にはシャンパンゴールドで派手に遊んでほしかったですね(笑)
くすんだゴールドの金属パーツ

スピードフックとアイレットの金属パーツはくすんだゴールドです。
こちらもアルパイン・ポーテージの雰囲気にマッチしています。
全体の雰囲気を邪魔することもないので、実に優秀なチョイスと言えるでしょう。
緑・茶・黒のカモフラカラー

柔らかいアースカラー(カーキ、ブラウン)に、引き締め効果のあるブラックを組み合わせているので、大人っぽくクールな外観となっています。
緑・茶・黒のミックスは「カモフラ(迷彩)」も連想させます。
さて、外観を一通り見終えたところで、ここからは8078がどんなブーツなのかを、概念的にご紹介していきます。
レッドウィング8078はアルパインポーテージのアイアンレンジャー
レッドウィング8078の特徴を、写真も交えながら分かりやすく解説していきます。
アイアンレンジャー=鉄鉱石の鉱山地域「アイアンレンジ」で働く鉱夫達

アイアンレンジャーとは、アメリカ・ミネソタ州北部にある鉄鉱石の鉱山地域「アイアンレンジ」で働く鉱夫達のことを指します。
ここで働いていた人々はその昔、足先を保護するために補強用の革を1枚縫い付けた「キャップドトゥ」という専用の安全靴を履いていました。
その後主流となっていったスチールトゥが普及し始め、徐々にキャップドトゥのブーツは見られなくなりましたが、そのデザインは一部ブーツに残り続けるなど、ワークブーツ界に与えた功績は非常に大きいものでした。
また、つま先に縫い付けられた革がドレスシューズのストレートチップのように見えるなど、そのクラシックなデザインは現在でも人々を魅了し、履くシーンやコーデを変えて残り続けています。
「レッドウィングらしい男らしさ×レッドウィングらしからぬきれい目シルエット」という相反する要素を併せ持つ、秀逸なデザインなのです。
アイアンレンジャーの人気色!カーキグリーンが個性的かつ都会的!
アイアンレンジャーはレッドウィングの中でも定番の人気モデルです。
人気の理由はデザインの他に、豊富なカラーバリエーションがあげられます。
アイアンレンジャーは基本4色の他、過去に様々なカラーで展開されてきました。
定番で常時ラインナップされているのがアンバー・ハーネス、ブラック・ハーネス、ホーソーン・ミュールスキナー・ラフアウト、カッパー・ラフ&タフの4色。
- アンバー・ハーネス
- ブラック・ハーネス
- ホーソーン・ミュールスキナー・ラフアウト
- カッパー・ラフ&タフ
これら以外にもオックスブラッド・メサ、ネイビー・アビレーン・ラフアウト、オロイジナルなど、一定期間だけ希少なカラーで発売されたことがあります。
そんなカラー展開の中でも最も注目を集めたのが8086”チャコール・ラフ&タフ”、8087”スレート・ミュールスキナー・ラフアウト”、8078”アルパイン・ポーテージ”の3つであると考えています。
- #8086
- #8087
- #8078
どれも2021年以降に登場した品番であり、8086と8087はグレーカラー、8078はアースカラーが特徴です。
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寒色系カラーはワークブーツブランドであるレッドウィングのイメージを覆す、都会的な印象を放ちます。
他のブーツメーカーを見てもグリーンレザーを使ったモデルはなかなか見ません。
その個性的なルックスが高い評価を得ている理由というわけですね。
アルプス山脈をイメージしたアルパインポーテージを採用

アルパイン(Alpine)とは、日本語で「アルプスの」「高山の」「深山の」という意味の形容詞です。
その名の通り、自然を連想させる深い緑色が特徴のレザーです。
アルパイン・ポーテージが使用されたモデルは、アイリッシュセッター"8828"とアイアンレンジャー"8078"の2種類のみ。
8828が発売されたのは、2023年9月22日(9月15日に池袋パルコ店で先行発売)です。
このシーズンには「アースカラー」をテーマとした新商品が発売されており、その目玉として紹介されたのがこの8828でした。

翌年2024年8月16日には8078を発売。
これまでグリーンのアイアンレンジャーは存在していなかったため、アイアンレンジャーファンにとっては嬉しいニュースとなりました。

アルパイン・ポーテージは2025年冬現在も相変わらず人気ですが、8078以降は新作が登場していません。
レザー自体もすでに生産が終了しているため、今後のバリエーション化にも期待ができない状況となっています。
それでも、ラインナップが少なく苦戦していた時期のレッドウィングを大いに支えたレザーであることは間違いありません。
物珍しいカラーが話題を呼び、新規層だけでなく、コア層にも売れていきました。
そして、コア層がこのグリーンレザーを支持するのには、ある理由があります。
実はこれまでにもグリーンレザーを使ったモデルは存在していました。
最初に登場したのは1960年代初めに発売されたスポーツブーツ"888(通称:トリプルエイト)"。
緑色のカンガルーレザーを採用した激レアヴィンテージモデルですね。
MLB選手のテッド・ウィリアムズとのコラボモデルとしても知られています。
そんな特別な888をオマージュして作られたのが、アイリッシュセッター"8180"。
緑色のカンガタン・ポーテージレザーを使用しており、「グリーン・セッター」の愛称で呼ばれました。
1999年に1stモデル、2014年に2ndモデルが発売されています。

同時期にはカンガタン・ポーテージのエンジニアブーツ"8273"も発売されています。
アルパイン・ポーテージのアイリッシュセッター"8828"は、8180と同様に888を元ネタとして企画されたモデルです。
なので8828にとって、888は先祖、8180は兄といった感じでしょうか。
そして従兄弟に当たるのが、エンジニアブーツ"8273"とアイアンレンジャー"8078"ですね。
レッドウィング・グリーンレザーにはこういった深い歴史があるのです。
歴史を辿れば、カンガルーもカンガタンもアルパインも、すべて1つのストーリーで繋がっていることが分かりますね。
アルパインポーテージの経年変化(エイジング)


アルパイン・ポーテージはツヤのあるスムースレザーです。
経年変化するとツヤが増し、革靴のように変化します。
新品時もスマートな出立ちですが、経年変化後も麗しさを感じさせます。
レッドウィングにはなかなかない、きれいめな変化が見られます。
定期的な手入れを行うことで、より美しく保つことができます。
ツヤを与えて手入れをしたい方は、モウブレイ「シュークリームジャー」ニュートラル(無色)がおすすめ。
定番の乳化性クリームですね。
元々の色合いを壊さないように、ニュートラル(無色)タイプを選びましょう。
蝋分が配合されているため、ツヤ感のある仕上がりが期待できます。
ツヤを抑えて手入れをしたい方は、モウブレイ「デリケートクリーム」がおすすめ。
蝋分が少ないため、マットな質感を保ったまま手入れをすることができます。
デリケートクリームには革を柔らかくする効果もあります。
革を馴染ませるためにも一役買ってくれるので、一石二鳥です。
アイアンレンジャー8078を使ったコーディネイト
アイアンレンジャー8078はワークブーツですが、どこか都会的でスマートな印象です。
「ブーツでありながら、革靴でもある。」という言葉が適切でしょうか。
なのでここでは、ワークブーツ要素を活かしたコーデと、ドレスシューズ要素を活かしたコーデの2つを紹介します。
アディクトクローズAD-03CSと合わせたコーデ

まずはワークブーツ要素を活かしたコーデです。
アディクトクローズAD-03CSと黒ボトムス、8078を合わせてみました。
AD-03CSはダークブルー×イエローバンドという少し特殊なカラーリングのため、普通のブラックライダースと同じようにコーデはできません。
ここでバッチリハマってくれるのがカーキカラー。8078の出番です。
アディクトクローズのライダース重ね着用アウターにもカーキカラーが存在します。
他にもモッズコートなど、カーキのアウターはたくさんありますよね。
カーキのブーツはこれらのアウターとの色合わせにも、非常に便利なのです。
- カーキのダウンベストを羽織る。
- カーキのシングルディスパッチコートを羽織る。(ワックスコットン素材)
- カーキのシングルディスパッチコートを羽織る。(フランネル素材)
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アイアンレンジャーはコーデ次第でロンジャンにも合いますので、本当にコーデの幅が広いですね。
カーキテーラードジャケットと合わせたコーデ

僕は現在、私服で働ける職場で仕事をしています。
そのときよくするのがこのコーディネイト。
カーキのテーラードジャケットにブラックのインナーとボトムス。
このときシューズもカーキにしたいなと思ったのも、8078を購入した大きな理由です。
珍しいカラーだからこそ成せる技ですね。
革が生産終了したため廃盤が決定。在庫限りにて販売も終了。
アルパイン・ポーテージレザー自体の生産が終了しています。
定番としてラインナップされていない特殊カラーのレザーは、基本的には”作りきり”。一度大量に作ってしまって、それ以上は作らない方針です。
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アルパイン・ポーテージモデルが初登場したのは2023年秋。
2025年冬時点では店舗、ECサイトともに潤沢に在庫があります。
しかし、2026年内には数が激減すると読んでいます。
おそらく2026年が購入できる最後のチャンスです。
ぜひ検討してみてください。
購入する前にサイズ感も把握しておきましょう。
8番ラストが使われているアイアンレンジャーのサイズは、実寸通りに選ぶのがベター。
個人差はあるので試着は必須ですが、概ね実寸通り選べば問題ないことが多いですね。
レッドウィングのサイズ感は下の記事で解説しています。合わせてご確認ください。
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また、フリマサイトや中古サイトで探すのもアリです。
廃盤前のモデルでも、新品・未使用で出品されているケースが多々あります。
僕も8078をホープスモアで購入しました。
新品・未使用・箱付きなのに、定価¥55,550(2025年冬時点)よりも安い¥47,280で買えたので、超お得でした。
おすすめのサイトはメルカリ、ラクマ、ヤフオク、ホープスモアあたりですね。
これらは比較的出品数が多いので、欲しいものが見つかる可能性が高いです。
廃盤になって数年後には、「幻のグリーン・レンジャー」なんて呼ばれている可能性もあります。
次にグリーンレザーが出るのは何年後になるか分からないので、少しでも気になる方は今のうちに買っておくべきですね。
まとめ
本記事をまとめます。
- レッドウィング8078はアルパイン・ポーテージレザーを使ったアイアンレンジャー。
- 「アルパイン(Alpine)="アルプスの"、"高山の”」を冠した名を持つ、グリーン系レザーが話題を呼び、アイアンレンジャーの中でも人気色となった。
- アルパイン・ポーテージはツヤのあるスムースレザー。それでいてオイルも含まれている。また断面がやや茶色みを帯びているため、コバの茶色と自然に馴染むのも良いポイント。
- グリーン×ブラックのタスランレースとブラックのレザーレースが付属。前者は単体販売がない非売品で、アルパインモデルにのみ付属している。
- ステッチはブラックで引き締まった印象に。一方、アルパインセッター8828はシャンパンゴールドステッチで遊び心を持たせていた。
- スピードフックとアイレットはくすんだゴールドを採用。全体の雰囲気を邪魔しない優秀なチョイスである。
- エイジングすると全体が艶やかに変化する。革靴のエイジングに似ているのが特徴。
- ダークブルーライダースと合わせたコーデと、カーキテーラードと合わせたコーデの2つを紹介した。どちらもカーキカラーを活かしているのがポイント。
- 革の生産が終了。2025年冬現在はまだ在庫が潤沢にあるが、2026年内に廃盤になると予想。
この記事が、8078アルパイン・ポーテージが気になっている方の参考になればうれしいです。
革の生産が終了した今、在庫がある今こそ買う最後のチャンスです!
難しいコーディネイトにも対応できるので、人と被りたくないという人にもオススメです。
欲しいと思った方は、ぜひこの個性派アイアンレンジャーを手に入れてみてください!












