読者の知りたいこと


様々なモデル・カラー・マテリアルが存在することで有名なコンバースですが、
実はリザードレザー(トカゲの革)を使ったものが存在することをご存じですか?
かつてコンバースユーザーの間で有名であったエグゼクティブスターショップから、2005年9月に発売されています。
知名度こそ低いものの、リザードレザーを使った唯一のモデルとして、一部のファンから愛されています。
本記事ではレザーマニアである僕が、リザードレザーを使った個性的なオールスターについて徹底解説します。
コンバースにはリザードレザーを使ったモデルが存在する
皆さんコンバースと聞いて何を思い浮かべますか?
人気、定番、どこでも買える…など、思い浮かぶことは様々でしょう。
その中でも、「バリエーションの豊富さ」をあげる人は多いのではないでしょうか。
カラーリング、マテリアル、コラボレーション…と、実に様々なバリエーションが存在するコンバースオールスター。
そんなオールスターにはリザードレザー(トカゲの革)を使ったモデルが存在します。
数あるバリエーションの中でも一際異彩を放つリザードレザーモデル。
それが、コンバースオールスターリザードハイ(CONVERSE ALL STAR LZD HI)です。
レザーのコンバースは定番ですが、リザードレザーを使ったモデルは非常にレアです。
存在が判明したところで、次にこれが一体どんなモデルなのか、詳しく解説していきます。
コンバースオールスターリザードハイの特徴
写真を見て分かる通り、数ある本革モデルの中でも一際異彩を放つ本作。
一体どんな特徴があるのか、詳しく見ていきましょう。
※旧いモデルのため、靴紐を社外品に交換しています。
エグゼクティブスターショップ限定モデル
コンバースオールスターリザードハイは、2005年9月にエグゼクティブスターショップ限定モデルとして発売されました。

こう思われる方も多いでしょう。
それもそのはず、現在コンバースジャパンは、エグゼクティブスターショップという名称を使用していません。
エグゼクティブスターショップとは、かつて存在したコンバースの特別店舗のことを指します。
コンバースにはかつて「スターショップ」と呼ばれる、豊富なラインナップを取り扱う店舗が存在しました。
全国の正規取扱店の中でも限られた店舗にのみ与えられる称号であり、店頭には「STAR SHOP」の看板が掲げられ、通常の店舗では見られないモデルも販売していました。
2000年代に入ると、さらに上位の店舗として「エグゼクティブスターショップ」が認定されます。
東京・大阪など都市部の有力店舗が中心となり、日本製モデル、特別素材モデル、特別色モデル、特別柄モデルなどを展開。
中にはエグゼクティブスターショップで先行発売され、後に一般販売されたモデルも存在します。
現在のコンバースジャパンはスターショップおよびエグゼクティブスターショップの名称を使わなくなり、特別モデルは公式オンラインストアやセレクトショップ、コラボしたブランドの直営店などで販売されています。
それでも、かつてコンバースマニアたちを熱狂させたエグゼクティブスターショップの価値は現在も健在。
中古市場で「エグゼクティブスターショップ限定」と銘打てば、過去の希少モデルの証として、高い評価を受けることができます。
リザードレザーを使用
オールスターリザードハイの一番の特徴は、本物のリザードレザーを使用していることです。
リザードレザーとは
リザードレザーとはトカゲの革の総称です。
商業利用されている種類として、ナイルオオトカゲ、テグー、イグアナ、カイマントカゲなどがあげられます。
中でも我々が最も多く目にするのが、ミズオオトカゲの革です。
ミズオオトカゲはワシントン条約による規制対象となっており、他のエキゾチックレザー同様、貴重な革とされています。
ミズオオトカゲはリングマークリザードとも呼ばれ、背中に輪状の模様が並んでいることが特徴です。
また、腹部に比べて背中は色が濃く、革全体にグラデーションがかかっているのもポイント。
カラーはナチュラル(ホワイトまたはベージュ)・オーク・ブラウン・ブラック・グレー・ピンク・グリーン・レッド・ブルー・パープルなどが存在し、発色の良さを利用して様々なカラーに染色されています。
- オーク
- ブラウン
- ブラック
- グレー
- ピンク
- グリーン
- レッド
- ブルー
- パープル
また、加工方法にも違いが見られます。
表面に光沢を与えたツヤあり加工と、表面に光沢を与えないマット加工の2種類が存在します。
- ブラック
- マットブラック
リザードレザー×スムースレザーの切り替え
サイド・タン・バックには、リザードレザーとスムースレザーの切り替えが見られます。
これがアクセントとなっており、コンバースの中でも物珍しさを感じさせるデザインに仕上がっています。
実はこの時期のエグゼクティブスターショップ限定モデルには、同じデザインの別革モデルが存在します。
2004年12月にオールスターリアルハイ ホワイト/スネーク(ALL STAR REAL HI WHITE/SNAKE)という、同デザインのパイソンレザーバージョンが発売されています。
また、パイソンレザーモデルにはオールスターナチュラルパイソンハイ(ALL STAR NATURAL-PYTHON HI)という、前面パイソンレザーのモデルも存在しています。
こちらもデザインにパッチワークが採用されており、リザードハイやリアルハイとの共通点を感じさせます。
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どうやらコンバースの本爬虫類革モデルには、革の切り替えが使われる傾向にあるようです。
これはおそらくヘビやトカゲの革面積が、牛などと比べると小さいことが理由でしょう。
スニーカー全体を1枚の革で構成できないため、パッチワークや切り返しを使っているのだと考えられます。
現に、爬虫類革モデルの中でもフェイクレザー(合成比較)を採用しているオールスタークロコハイ(ALL STAR CRC HI)は、スニーカー全体が同じマテリアルで覆われています。
このように考えるとスニーカーデザインの裏事情を垣間見ることができて楽しいですね。
ブラックとホワイトの2色展開
- ホワイト
- ブラック
オールスターリザードハイはブラックとホワイトの2色展開で発売されました。
ホワイトはナチュラルリザードレザー×ホワイトスムースレザー、ブラックはブラックリザードレザー×ブラックスムースレザーの組み合わせです。
トカゲの革だと分かりやすいのはホワイトですね。
ブラックはリザードレザーを黒一色に染めているため、特徴的なリングマークが見えなくなっています。
また、個体差が大きいのもホワイトです。
先述したようにリングマークリザードレザーは腹部に比べて背中の色が濃く、革全体にグラデーションがかかっています。
これはナチュラルカラーのものほどよく分かります。
- 外側
- 内側
使う部分によって全く異なる表情を見せるため、スニーカー間の個体差も必然的に大きいものとなります。
僕のリザードハイの場合は、右足に背中部分を使っているため、全体が黒っぽくリングマークが目立つ個体に。
左足にはお腹に近い部分を使っているため、全体が白っぽく、ウロコがくっきりと見える個体になっています。
- 左足
- 右足
インドネシア製
リザードレザーという豪華なマテリアルを使用しエグゼクティブスターショップでしか買えなかったモデルですが、意外にも生産国はインドネシア。
コンバースの中には日本製の特別モデルも存在しますが、リザードハイに関しては日本国内に流通している多くのモデルと同様に海外生産品です。
ただし、インドネシア工場にはアメリカ・ノースカロライナ州のランバートン工場で使われていた設備が引き継がれています。
2001年に当工場が閉鎖された際に主要生産地の1つとして選ばれたのがインドネシアでした。
アメリカから生産責任者を招き、ソールのゴムの配合比率から必要な設備まで、すべてを忠実に継承しています。
その意味において、インドネシア製のオールスターは1990年代のアメリカ製オールスターのスペックをしっかりと引き継いだ、子孫のような存在なのです。
オールスターリザードハイのコーディネイト
爬虫類系のスニーカーということで、トップスも爬虫類系の柄をチョイスしてみました。
パイソン柄とウロコ模様をミックスしたデザインのアロハシャツは、同じ爬虫類デザインのオールスターリザードハイとマッチします。
リザードハイのホワイトはレザースニーカーの中でも軽やかな印象で、真夏に履いても重くならないのが特徴。
見た目のインパクトがあるためややコーデを選びますが、幅広いシーズンに活躍できるのが魅力的ですね。
オールスターリザードハイの入手方法
今から約20年前に発売されたモデルであり、入手が非常に難しい一足です。
エグゼクティブスターショップ限定で、元々たま数が少なかったことも、入手を困難にしている要因ですね。
今購入するとしたらメルカリ・ヤフオクなどの中古サイトを探すことになります。
ごく稀にデッドストックが見つかることもあるため、欲しい方は根気強く出品されるのを待ってみると良いでしょう。
希少モデルは争奪戦になりやすいので、売り切れないうちに買うことをおすすめします。
まとめ
本記事をまとめます。
コンバースオールスターの中でも激レアと言われるリザードレザーモデル。
ワシントン条約もあり、今後復刻が期待できないモデルの1つですね。
入手は非常に困難ですが、見つけたらぜひ購入してみてください。